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知られざる女性画家たちの活躍 編
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2025年02月23日

真のジェンダー平等とは
埋もれた女性画家の活躍
来る3月8日は国際女性デー。女性の権利や、ジェンダー平等の実現を目的とし、国連が1975年に制定した記念日です。
今回「西洋絵画、どこから見るか?」展にも多くの女性画家の作品が展示されますが、一般的に絵画作品は認知度も情報量も圧倒的に男性画家のものが多いのが現実。それはなぜなのでしょうか。知られざる女性画家たちの活躍をご紹介します。
今でこそ、あらゆる場面でジェンダー平等の思想がうたわれていますが、芸術界には長きにわたり女性の活躍が難しい美術教育のシステムがありました。例えば、評価を得やすいモチーフである、男性裸像を女性は描くことを禁止されていたり。それ以前に画家の道を志して弟子入りを願っても、女性はそれを認められていなかったりという厳しい時代。芸術の才能があるにもかかわらず、花を咲かせられずに生涯を終えた女性画家は数知れず。そんな風当たりの強い16世紀のイタリアに、女性画家として初めて世界的に成功を収めたといわれる人物がいます。それが、ソフォニスバ・アングイッソラ。教育熱心で人脈のある父親のおかげで当時では異例のプロの画家に弟子入りを果たし、肖像画家として才能を開花。晩年のミケランジェロにも認められた逸材です。
その後、長年スペインの宮廷画家を務め、後進画家の育成にも従事。93歳で亡くなるまでに50あまりの作品を残しています。その後の女性画家たちのロールモデルとなったソフォニスバの作品が本展会期中、サンディエゴから来日。常設展にてご覧いただけます。
抽象画の先駆者
ヒルマ・アフ・クリント
ソフォニスバの活躍からおよそ300年後の北欧に、カンディンスキーやモンドリアンより早く抽象絵画を描いた、ひとりの画家がいました。彼女の名は、ヒルマ・アフ・クリント。21世紀の現代に、死後70年を経てついに世界に発見された彼女の作品は米ニューヨークのグッゲンハイムで大きな評判を呼び、英ロンドンのテート・モダンなど世界各国の名だたる美術館が競い合うように展覧会を開催し続けています。3月、アジア初の大回顧展が東京で始まります。高さ3mを超える10点組の絵画〈10の最大物〉をはじめ全てが日本初公開の約140点を一堂に展示し、謎につつまれたヒルマ・アフ・クリントの画業の全貌に迫ります。
参考資料:『 すぐわかる女性画家の魅力』(東京美術)他