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コラム
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ちゃんこにまつわる基礎知識 編
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2025年12月14日

ちゃんこについて
『相撲大辞典』はかく語りき
【ちゃんこ】日本相撲協会が監修をした『相撲大辞典』によると、《力士が作る料理。また、力士が食べる食事を総称して「ちゃんこ」という。鍋料理であれ中華料理であれ、刺し身、揚げ物、すべてちゃんこである。》(『相撲大辞典』より以下同)
【ちゃんこ鍋】《力士が作る鍋料理の総称。スープの種類や中に入れる食材に関係なく、鍋料理であれば「ちゃんこ鍋」という。「ちゃんこ」という言葉が、中国から伝わった板金製の鍋「砂(沙)鍋(シャーコオ)」に由来するという説もあるが、定説となってはいない。》
【ちゃんこ長】《ちゃんこを作る当番の力士を統轄する力士のこと。主として幕下以下力士が担当する。関取の多い部屋ではちゃんこ長をおくが、おかない部屋もある。ちゃんこ長は自分より若い力士たちにちゃんこの作り方から、食材の買い出しまでを指導する。「ちゃんこ頭」ともいう。》
【ちゃんこの味がしみる】《相撲界独特の表現。入門して稽古を十分に積み、相撲界についてひと通りのことを知り、精神的にも体つきも力士らしくなることをこのように表現する。》
ちゃんこの生みの親は
名横綱だった?
【常陸山谷右衛門】常陸山は明治末に活躍した名横綱で、ちゃんこの生みの親といわれる。当時人気力士だった常陸山の出羽海部屋に入門者が一気に増えたため、鍋を囲んで食べる「ちゃんこ鍋」が考案された。食料事情の良くなかった当時、ちゃんこ鍋は力士の栄養改革にもなったという。
【ちゃんこの語源】『相撲大辞典』ではシャーコオ由来説が書かれているが、相撲界で広く語られるもう一つの説が、「父由来説」。相撲部屋の親方は父親も同然。その父(父ちゃん)と、息子である弟子が一緒に食べるので「ちゃんこ」と呼ばれるようになったという。臥牙丸さんはその話を、白鵬(当時は宮城野親方)から聞いたと、インタビューで語った。
【ちゃんこ鍋の種類】大きく分けて、水炊き、ソップ炊き、寄せ鍋、味噌炊きに分けられる。ソップとはオランダ語で「スープ」を意味する言葉。ちなみに力士の体型で「ソップ型」とは痩せた筋肉質の力士のこと。だしを取った後の鶏ガラから連想した。対照的に丸々おなかの突き出た体型を「あんこ型」と呼ぶ。アンコウの丸い姿から、そう呼ばれるようになった。
参考資料:『相撲大辞典』(現代書館刊)他








