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茶事に学ぶ、
和の書画の楽しみ方
茶道宗和流十八代・宇田川宗光宗匠に教えていただきました。
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2026年09月27日

日本のアートは掛け軸や障壁画にしても、暮らしの空間全体を美としてしつらえる文化が育まれてきました。茶事はその美意識を最も凝縮した世界。床の間に掛け軸を飾り、花を生け、茶道具を選ぶ。その奥深い楽しみ方を教えていただきました。
うだがわ・そうこう 1974年生まれ。
茶人、茶道宗和流十八代。根津美術館顧問。江戸時代初期の茶人・金森宗和を流祖とする宗和流を伝える傍ら、現代の生活の中での茶事の美意識を模索する。著書に『なんとなくわかる茶の湯』(小学館)
宗和流HP:https://www.sowaryu.jp/
ろうそくだけで照らされた三畳の茶室。ほのかな灯りに浮かび上がる床の間には、名茶人・古田織部の手紙が飾られています。
「この手紙の書かれている内容もとてもいいのですが、文字がちょっと斜めになっていたり、炭の濃淡が景色になっていたり、織部の手が見えるところも、織部の人柄が偲ばれてとても面白いですね」
そう語るのは宇田川宗匠。江戸時代から続く茶道宗和流の十八代です。
初期の茶の湯では「唐物(からもの)」という中国から渡来した絵画や墨蹟を飾ることが主流でしたが、千利休に代表される「侘び茶」の発展に伴って、手紙や和歌の書かれた書を表装して掛け軸に仕立てることが広まりました。本来は個人の私信などであったものを、美しいと見立てる美学は、茶道ならではの面白さです。
「今は大勢が集まる茶会が多くなってしまいましたが、茶事というのは本来とてもプライベートな集まりです。親しい友人を数人招いてもてなすもので、どの掛け軸を掛けるとか、どんなお道具を見せたいとか、招く人とテーマに合わせて考えるものです。招く側はそれを考えることが楽しみの一つで、ある意味サプライズパーティーみたいな、仕掛けやストーリーを忍ばせておくもの。織部の手紙が飾ってあったら、そこから会話も広がっていくでしょう」
現代の住空間でも、茶事のもてなしの精神は活かすことができる、と宇田川宗匠は言います。
「特別なことではなくていいんです。自宅に招く人を思って、このアートを見せたいから掛けておこうとか、おいしいコーヒーとケーキを用意しようとか、かわいい器で出そうとか考えることが茶事の第1歩です」
人を招く楽しさを知ったら、茶道そのものにも興味が湧いてきます。
「高価なお道具や掛け軸がなくても、自分の思いやストーリーがこもったものであれば、楽しい茶事になるはずです。私が漫画やアニメ業界の方を茶事に招くことがあったんですけど、白隠禅師の絵を描いていただき床の間に飾りました。白隠禅師は文字の読めない庶民のために、白隠漫画と言われる絵で教えを広めた人です。そんなお話をしながら話題が漫画やアニメに話が広がる、とても楽しい茶事になりました」
潮音堂が選んだ 茶事におすすめの書画6選

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十一面観音菩薩像
鎌倉時代後期。深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施す菩薩が緻密に描かれている。金色を良く留め、良質な顔料が使用されているなど時代仏画の優品。

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古田織部書状 浅野長政宛
慶長15年(1610年)ごろ。古田織部が茶の湯を通した交流があった浅野長政へ宛てた書状。内容は江戸に逗留している間の感謝の言葉で、小田原まで涙ばかりでしたと書かれている。

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清水切 伝後鳥羽天皇宸筆
鎌倉時代初期写。銀泥で天蓋・蓮台を描き、一行を仏身と見立てて荘厳した法華経の断簡。書体は後鳥羽天皇の筆跡に似通った特徴を持ち、鎌倉初期頃の書写と思われる。

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桃山刺繡裂 扇
刺繡裂(ししゅうぎれ)とは刺繍がほどこされた古裂のことで、この作品は桃山時代の文化を反映した壮麗なもの。中央に扇の意匠が配置されている。額装された作品。

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青蓮院尊朝法親王 和歌懐紙
戦国時代。書道の名手として知られた尊朝流の創始者、青蓮院尊朝法親王が和歌を清書したもの。9月9日の重陽(ちょうよう)の節句(菊の節句)を題に詠まれた和歌が書かれている。

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昭和切 藤原俊成筆
平安時代。藤原俊成が書写した『新古今和歌集』上巻1冊が昭和3年に分割されたことから「昭和切」の名がある。切れ味鋭い書風は俊成晩年の特徴的な筆跡を伝える。
銀座の画廊で初めての
書画の選び方を聞きました
今回の織部の書状や上に挙げた掛け軸を扱っている「東京潮音堂」。古筆・古写経を中心に扱っている銀座のギャラリーです。書画の選び方について伺いました。
「最初の1歩が一番難しいです。まず自分の好きなジャンルを知る必要があるので、美術館や博物館に行って一番惹かれるものを探してみてください。それが分かったら、好きなジャンルを継続的に扱っていて評判のいいギャラリーを見つけることが大切です」
ギャラリーが見つかったら、まず見に行ってみること。いきなり買わずに、色々と質問をしてみること。
「興味のある作品があったら、質問をすると知識も増えますし、お店の人との相性も分かります。何度か通って仲良くなってもいいと思います」
そして買う時にはあらかじめ予算を伝えておくといいそうです。
「伝えておくと予算にあった作品をいくつか見せてくれます。無理のない予算で始めてみるのがいいですね。きっといい作品と出合えますよ」
東京 潮音堂
電話番号:03-6886-7249
Mail:[email protected]
HP:https://choondo.jp/
※HPでは作品がご覧になれます。


