今、また訪れたい 新シニア世代憧れの街
|銀座|
コラム
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銀座初めて物語 編
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2022年11月27日
常連のリクエストで生まれた
甘い元祖あんみつ
最先端のものと商人が集まる街、銀座には文化の発展に伴い、日本初や元祖といわれるものが多数ある。
銀座コアビルの一服どころといえば創業から128年の銀座若松。
コアビルができる前からその地にあったというから歴史の長さがうかがえる。和の甘みの定番であるあんみつは、銀座若松が発祥といわれている。
1930年(昭和5年)当時は甘いものはぜいたく品だった。常連客からのもっと甘いものが食べたいというリクエストを受けて、みつ豆に自家製のこしあんをのせ、さらに黒蜜をかけた元祖あんみつが誕生。しっかり甘さを感じつつも、さっぱり食べられるあんみつは瞬く間に大ヒットを記録。以降90余年にわたり店の一番人気を誇っている。
日本人好みの味に改良された
ポークカツレツ
1895年(明治28年)に創業した銀座煉瓦亭。洋食店として知られているが、実はとんかつの生みの親でもある。
そもそもとんかつの語源は豚のカツレツを略したもの。カツレツとは仔こうし牛肉にパン粉をまぶしてバターで焼き上げるフランス料理のコートレットのこと。煉瓦亭の主人はバターでは重くて日本人の口に合わないからと油で揚げることを思いつく。あっさり食べられるだろうと豚肉にし、ソースもウスターソースに変更。こうしてとんかつは誕生したのだ。ちなみに当時の付け合わせは煮込んだキャベツだったが、戦争による人手不足を解消するため、ゆでるよりは楽な生のキャベツを千切りで出すことに。ソースとなじむし、とんかつにも合うと大評判となった。
こだわりの酒種酵母が肝
銀座木村屋總本店のあんぱん
1869年(明治2年)に創業した銀座木村屋總本店が生み出したのが看板メニューのあんぱん。
当時の日本はまだパンが普及していなかったため、酵母の研究からという長い道のりだった。日本人の嗜好に合わせ酒種酵母に出合い酒種生地が出来上がったのが5年後のこと。米、こうじ、水を栄養源とし増殖する酒種酵母で作ったパンは風味豊かなのが特徴。これにあんと、梅酢で漬け込んだ桜の花びらをアクセントにした日本初の、それでいて唯一無二のあんぱんが誕生。肝となる酒種酵母は種師と呼ばれる専任の職人により代々受け継がれ老舗の味を守っている。
参考資料:銀座木村屋總本店ウェブサイト、銀座煉瓦亭ウェブサイト、銀座若松ウェブサイト