ファッションの秋に 自分をアップデートしませんか?
|大人のファッション|
カバー特集
posted by 日経REVIVE
光石 研さんの「ファッション」GOOD LIFE
一周回ってやっぱりシャツが好き
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2022年9月25日
年齢を重ねるたびに
シャツの魅力を感じています
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋……。
秋はさまざまなことを楽しむのに良い季節です。
今号ではファッションの秋を楽しむため、洋服好きで知られる俳優の光石研さんとお買い物。
大人のファッションをテーマに、光石さんのファッション観や人生観を聞きました。
NAVIGATOR
光石 研
みついし・けん1961年、福岡県生まれの俳優。 高校在学中に「博多っ子純情」で銀幕デビュー。 この作品をきっかけに俳優になることを決意し、高校卒業と同時に上京。おっとりとした役柄からこわもて、癖のある役まで幅広い演技力で視聴者を魅了。名バイプレイヤーの1人として知られる。
撮影/オノデラカズオ 編集・取材/澤村 恵(編) ヘアメーク/大島千穂 スタイリング/下山さつき アートディレクション/本多康規(Cumu)
現在60歳で、まさに新シニア世代の光石さん。服好きが高じて「東京古着日和」という番組にも出演していましたが、そもそも洋服に興味を持ったきっかけは?
「わりと幼い頃から洋服に興味はあったんですが、やっぱり両親の影響ですかね。うちのおやじ、ええかっこしいでね。母もこだわりがある人だったので。自発的にファッションにのめり込んでいったのは中学生のときです。通っていた塾の1つか2つ上のお兄ちゃんで、ものすごいかっこいい子がいたんです。髪はなでつけてあって黒の
タートルニットに革ジャン着てましてね。思わず声かけたんですよ。お兄ちゃんかっこいいねって。そうしたら雑誌の『メンズクラブ』渡されて、これ見て勉強しろって。もう授業そっちのけで読みふけっていました(笑)」
ファッションに、どんどんのめり込んでいった光石少年。
「その時期にライフスタイル雑誌の『ポパイ』が創刊されて。それにも影響を受けましたね。サーファールックに身を包んでみたり、スケートボードまで始めてみたりして。多感な時期でしたし、都会への憧れもものすごくありましたから。上京してからもいろんな格好してましたね。お金が無いなりに古着で楽しんでいました」
そんな光石さんが今、やっぱり好きだというのがシャツ。
「うん。シャツ好きですね。夏もほぼシャツで、寒くなってきたらジャケットを羽織ったりという感じでベースにシャツがあります。というのも、僕の仕事って現場に行って着替えるんですけど、そのときシャツって脱いでさっと置いておけるし、扱いやすい。気を遣わせない感じがいいんです。襟があるからそれなりにきちんとして見え
るしね。若いときはそれこそ楽だしTシャツを着てたんですけど、なんか恥ずかしくなってしまって。40代ぐらいからかな。シャツを着てますね。といっても何十枚も持ってるとかじゃないですよ。7、8枚ですけどお気に入りのものを着ています」
きょうおじゃましたビームス プラスやエンジニアド ガーメンツには15年ほど通っているとか。
「どちらも奇をてらわないデザインながら、こだわりが随所に感じられて。着心地もいいし、価格帯も含めて今の自分にフィットする気がしています」
僕らにとっておしゃれといえばビームス。
ワクワクしますよね
名優スティーブ・マックイーンや高倉健が着たことで人気を得たジャケット、バラクータG9 。「いやあ、かっこいい。憧れますが、僕似合わないんですよ。高倉健さんの着こなしは渋くてすてきですよね。あんなふうに僕はまだまだ着こなせないです」と光石さん。
「中学の頃通っていた塾で出会ったお兄ちゃんがものすごいおしゃれで。みんな学生服着て授業を受けているのに、革ジャン着てたりして。そんな憧れの存在が僕のおしゃれ欲に火をつけてくれました」
- ジャケット2万8600円、シャツ1万4300円、パンツ2万6400円(ビームス プラス)、靴3万8500円(ランコート×ビームス プラス)/すべてビームス プラス 原宿
60歳、まだまだこれから
理想の大人へは道半ば
光石さんが思う、かっこいい大人ってどんな人でしょう?
「かっこいい服を着てるからかっこいいんじゃなくて、かっこいい人が着るからかっこいいんですよね。似合うものを選びそれをフィットさせるっていうかね。要は内面なんですよね。洋服の向こう側にあるもの。僕今60歳ですけど、若い頃から思っていたのは、大人のたしなみを知っていて博学で後輩からも相談を受けるようなそんな60歳をイメージしていたんですけど、ぜーんぜん真逆。むしろ後輩に俺、大丈夫?って聞いちゃうくらい。でも、それが自分らしさなのかな、なんて思ったりもします」
第二の人生のスタート地点ともいえる60歳。これからどんなふうに年を重ねていきたいですか?
「60歳になって同級生が定年退職して地元に戻ったり、働いているやつがいたり、本当にいろいろな生き方があって同時に良いことも悪いこともさまざまなことが押し寄せてくるんだなと身をもって実感しています。俳優って決して安定した職業ではないけれど、お仕事をいただける限り演じていたいですね。今までいろんな役を演じさせ
てもらいましたが、ちゃんとおじいちゃん役をやったことないんです。それが今楽しみですね。何年後になるのかも、できるかも分からないけど演じてみたい。そんな気持ちでいます」
同世代デザイナーがつくる洋服には
絶大な安心感がある
「演技派などと褒めてくださる方も多くうれしいけれど、それは衣装さんをはじめとするスタッフのおかげ。役柄に合わせて緻密に考えて用意してくれた衣装を着て、僕はそこに立ってるだけなんです」
- 「デザイナーの鈴木大器さんは僕と同世代。今まで見てきたものや趣味など重なる部分が多いのかなと僕が勝手にシンパシーを感じて好きなんですよね。お伺いできるときは展示会にも行ったり、仕事の合間にさっとお買い物させてもらったりしてます」
- ジャケット6万4900円、ベスト4万2900円、シャツ3万800円/すべてエンジニアド ガーメンツ
What's GOOD LIFE for you?
ずっと
笑っていたい
- 「不機嫌なのって嫌じゃないですか。もちろん生きていくなかで腹が立ったりイライラすることもあるだろうけど。未来のことは分からないけれど、できる限り笑顔で穏やかに過ごしたいと思うんです」
この記事は、2022年9月25日発行の日経REVIVE10月号に掲載された内容です。
取材裏話
10月号「大人のファッション」光石 研さん
お邪魔したビームスプラス原宿は、シャツの品ぞろえが豊富。お客様の中心は40代以上だそうです。「ウチのシャツを着ている方を街なかで見つけると、会釈したくなる」と店員さんから感謝の言葉。コロナ禍以降、オンラインでの買い物が日常化していますが、今回紙面で紹介したお店のある原宿、青山界隈は行き交う人々のファッションも街を形作っています。ファストファッション全盛な世の中、久しぶりに服を買いに街に繰り出し、自分のセンスをアップデートしてみては?
記事内で紹介している場所
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店舗情報
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ビームス プラス 原宿
僕らにとっておしゃれといえばビームス。
永年着られる本物の男服をコンセプトに、メンズカジュアルの原点を追求したセレクトショップ。 オーセンティックなカジュアルウエアを中心に、雑貨やファッション小物まで幅広くラインアップ。おしゃれの食指が動くはず。東京都渋谷区神宮前3-25-12
[TEL]03-3746- 5851 [営]11~20時 [休]不定休 -
店舗情報
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エンジニアド ガーメンツ
同世代デザイナーがつくる洋服には絶大な安心感がある
1999年にパンツ3本からスタートしたブランド。ワーク、ミリタリー、ユニホームをベースに毎シーズンテーマに沿ったコレクションが並ぶ。2022年秋冬はスリラー映画「ライトハウス」にインスパイアされたアイテムがそろう。東京都港区南青山5-11-15
[TEL]03-6419- 1798 [営]11~20時 [休]不定休