楽しみ方は自在! 日本酒、新時代
|日本の伝統文化、日本酒|
コラム
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日本酒の歴史とプチトリビア 編
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2024年10月27日
弥生時代が起源
日本酒の始まり
日本酒の歴史は古く、およそ2000年前が起源といわれています。稲作が伝わった弥生時代に日本酒造りは始まりました。口かみ酒と呼ばれる、蒸した米をそしゃくし唾液の酵素により発酵を進めて造る酒が日本酒の元祖です。この時代の日本酒は神聖なものだったため、造れるのは巫み女こだけでした。ちなみに米をかむと動くことから「こめかみ」という名称が生まれたといわれています。
奈良時代になると現代の日本酒造りの基礎ができます。こうじはこの頃から使われていました。とはいえ、精米技術も未発達のため、透明度の高い日本酒は貴重なものでした。日本酒造りが一般に広がったのは鎌倉時代でした。
室町時代になると、国を挙げて酒造りを盛り上げる世相に。戦国時代には物流の発展に伴って各地の個性が生きる地酒も誕生。神聖で高級品、都市にしかなかった日本酒が全国で流行していきます。
江戸時代になると、さらに日本酒造りの技術も文化も発展していきます。杜氏が誕生し、火入れ、三段仕込みなど現代に続く酒造りのテクニックが定着しました。そのため日本酒の質は格段に良くなり生産量も飛躍的に増加。大衆化の象徴ともいえる居酒屋もこの頃生まれました。当時の江戸の人口は約70万人だったとされ、一人当たり年間54リットル飲んでいたと推測されています。ちなみに2021年(令和3年)の統計では一人当たりの消費量は年間で約4リットルです。この数値からも江戸時代の酒盛りの中心は日本酒だったことがうかがえます。
国内消費量は減少
海外に活路を。日本酒の今
明治時代以降になると一般家庭での晩酌文化が根付き始めました。
酒造りの技術も進歩し、今までは人間の感覚に委ねられていた部分を科学技術が取って代わるようになります。しかし昭和に入り、第2次世界大戦が始まると酒造りも低迷することに。この頃は日本酒に似せた添加物の入った合成清酒が流通。戦後、高度経済成長に伴い日本酒の製造、消費量は増加。1973年(昭和48年)に製造量はピークに達しますが、以降は減少の一途をたどります。現在の製造量はピーク時の約4分の1に。ちなみに現在日本には約1200の酒蔵が存在します。各蔵元で個性が異なり、新しい日本酒が次々と生まれています。日本から世界へとその魅力は広がりを見せています。
参考資料:日本酒造組合中央会ウェブサイト、国税庁統計年報 他