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地図の歴史と発展 編
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2024年11月24日
その時代の世界観の表れ
地図の始まりと発展
現在地の確認や、目的地に向かうためなど生活に欠かせない地図。
現在は、スマートフォンでリアルタイムに自分の所在や目的地までの所要時間を確認できるまでに進化しています。そんな地図の歴史は文字の歴史より古いといわれていますが、その始まりは?
文字が誕生するのは紀元前3000年頃といわれていますが、それよりも前の文字を知らない先史時代の人々は、自分たちが持つ情報を記すすべとして地図を描く能力を持っていたとされています。
それを裏付けるかのように発見されたのが、紀元前2万5000年ほど前に描かれたといわれる「パブロフ図」。マンモスの牙に川や集落が線で描かれていて、それがチェコのパブロフ市の風景に酷似しているのだとか。ただ、これが地図なのか、絵なのかという結論は出ておらず、今も議論が続いています。
現存する世界最古の地図は、紀元前1500年頃に北イタリアのカモニカ渓谷の岩壁に描かれていた「ベトリーナ地図」といわれています。村人の家や道、耕地や川が幾何学的に描かれています。
人類の進化と共に、地図に記す範囲も広がります。現存する世界最古の世界地図は、紀元前に描かれた「バビロニアの世界地図」です。粘土板に首都バビロンを中心に円盤状に世界が描かれています。
正しい記し方を追い求め
進化を続ける地図の世界
バビロニアの世界地図が描かれてから数百年後、地球が球体だという仮説が生まれました。さらに数百年後の150年頃、プトレマイオスにより球体の世界を平面に描いた世界地図が誕生します。その後も地図は進化していくのですが、宗教的観点や情勢によりその表現方法も変動。正確さという点では足踏み状態が長らく続きましたが、大航海時代の1569年にメルカトル図法によって描かれた世界地図が発表されました。
以降現在に至るまでこの図法は使用されていますが、高緯度の地域は拡大され、赤道付近では縮小され実際の大小関係がゆがんでしまう欠点も。それらを補い正しい面積比率で表すことのできる「オーサグラフ」と呼ばれる世界地図も誕生しています。考案したのは日本人建築家の鳴川肇。理にかなった世界地図であり、これからの世界地図のスタンダードになるといわれています。
参考資料:織田武雄『地図の歴史 世界篇・日本篇』(講談社)他