7 2022

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コラム

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キャンプ入門編

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2022年06月26日

学生の憧れが始まり
160年のキャンプの変遷

人類は長い歴史のほとんどを狩猟採集生活をしながら暮らしてきたが、現代のキャンプがスタートしたのはわずか160年ほど前の話だ。

時は1860年代の米国の南北戦争時代に遡る。コネティカット州にあるガナリー・スクールの校長夫妻が生徒全員を連れて2週間の野営生活をしたのが最初といわれている。兵士がテントを張ったり地面に寝る姿に憧れを抱いていた生徒たちの希望をかなえてあげたのだとか。1910年にはキャンプの輪は全米に広がっていった。

日本でのキャンプの始まりは江戸時代。旅人は油紙を持ち歩き、日没を迎えてしまった際は木の下で油紙にくるまって雨風をしのいだといわれている。明治時代になると多くの西洋スポーツが導入される中、キャンプもそのうちの1つとして取り入れられた。現在のような組織キャンプが初めて行われたのは1916年のことでボーイスカウトの13人が琵琶湖畔で実施。その証しに「日本ボーイスカウト初野営の地」の記念碑が建てられている。以降、琵琶湖畔はキャンパーの聖地として知られるようになる。

第2次キャンプブーム到来
多様化するスタイル

日本オートキャンプ協会の調査によると、日本でオートキャンプが最盛期を迎えたのは1996年でキャンプ人口はおよそ1500万人。バブルが崩壊し、自然と触れ合う意識が強まったこと、週休2日制が導入され、出かけやすくなったことが要因。第2次ブームといわれているここ数年、オートキャンプ人口は2019年でおよそ860万人。90年代のおよそ半数だが、コロナ禍も相まって密にならずに過ごせるレジャーとして人口は増え続けている。平成28年社会生活基本調査によると都道府県別キャンプ人口の第1位は東京都、第2位は神奈川県、第3位は愛知県という結果に。都市部に集中しているのを見るに、自然を求めての行動のようだ。

近年注目されるのがその多様性。1人で行うソロキャンプ、家族や友人と行うグループキャンプに加え、海、山、湖、川などキャンプをする場所も多岐にわたる。手ぶらで行けてホテル並みの滞在ができるグランピングや、自宅のベランダでテントを張り寝食を楽しむベランピングなるものも。場所も方法も自由。キャンプを通して自然に触れる時間を持ってみては。

参考文献:公益社団法人日本キャンプ協会ウェブサイト、総務省統計局ウェブサイト、一般社団法人日本オートキャンプ協会ウェブサイト

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