10 2023

心が震えるサウンドに身を委ねてみませんか

|進化するジャズ|

コラム

GOOD LIFE 総研

posted by 日経REVIVE

よりよく生きるヒント GOOD LIFE 総研

生涯現役のジャズ・レジェンドたち 編

posted by 日経REVIVE

2023年09月24日

グラミー賞ノミネート者も
日本ジャズをけん引した面々

日本の戦後のジャズ史は、進駐軍から始まった。スイングジャズからモダンジャズへ、最新のトレンドは進駐軍のクラブやFENのラジオ放送で流れてきた。当時本場のジャズを知った日本人ミュージシャンたちが、戦後の日本のジャズをけん引していった。そして90歳を超えた今も、現役で活動している。

北村英治(94歳・クラリネット)
スイングジャズのクラリネット奏者として海外でもよく知られ、94歳の今も旺盛にライブ活動をしている。ベニー・グッドマンを思わせる軽快にスイングする音色は、全く年齢を感じさせない。

秋吉敏子(93歳・ピアノ)
米軍クラブで活動後、26歳でボストンのバークリー音楽院に日本人として初めて留学。バド・パウエルばりの演奏で人気を博し、チャールズ・ミンガスなど大物のバンドでピアノを弾く。自身のビッグバンドでは、グラミー賞に14度もノミネートされている。今も毎年のように単身来日して、各地でコンサートを開いている。

80歳くらいだと
まだまだ若手?

渡辺貞夫(90歳・アルトサックス、フルート)
秋吉敏子と米軍クラブで出会い、当時は最先端だったビバップを志向する秋吉のバンドに加わる。渡米した秋吉に誘われて、1962年にバークリー音楽院に留学した。ゲイリー・マクファーランドやチコ・ハミルトンのバンドで活動後、日本に帰国。以後日本のミュージシャンに本場のジャズを伝道し、今も旺盛にライブ活動をしている。「ナベサダ」の愛称で、ジャズフュージョンブームもけん引した。

中牟礼貞則(90歳・ギター)
日本のジャズギターの先駆者。米国から帰国した渡辺貞夫とともに、ボサノバブームを巻き起こした。ジャズギターの渡辺香津美は、中牟礼の教えを受けた。90歳の今も旺盛にジャズクラブに出演している。

日野皓正の80歳はまだまだ若手と思えるほど、レジェンドたちが元気だが、山下洋輔(81歳・ピアノ)、峰厚介(79歳・テナーサックス)、鈴木良雄(77歳・ベース)、山本剛(75歳・ピアノ)、増尾好秋(76歳・ギター)など、一時代を築いたミュージシャンが、今夜もどこかのジャズクラブで演奏している。秋の夜長にふらりとジャズクラブ巡りをしてみるのも悪くない。

参考文献:『秋吉敏子と渡辺貞夫』(西田浩著・新潮新書)

関連記事