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東京都美術館にて開幕

田中一村展 奄美の光 魂の絵画

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2024年09月24日

『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』
2024年9月19日(木)から東京都美術館にて開催されます。

田中一村(たなかいっそん:1908 – 1977)は栃木県に生まれ、幼少期から神童と称されその才能を発揮し南画(水墨画)を中心とした日本画を制作します。東京、千葉で活動した後、50歳で奄美へ単身移住。奄美の自然を愛し、亜熱帯の植物や鳥を鋭い観察と画力で描き続けた一村の、その生涯を終えるまでの全貌を紹介する大回顧展が開幕しました。

展覧会構成

第1章 若き南画家「田中米邨」東京時代

5歳で東京へ移り、彫刻師の父から「米邨」の号を受け、神童と称された画家人生が始まります。
本展に展示されている最も若い作品には「米村 八歳」と記されており、数え年8歳(満6〜7歳)の作品ということになります。それから昭和10年代初めまで、東京で活躍した若き南画家の作品が紹介されています。

<<主な出品作品>>

  • 《紅葉にるりかけす/雀》1915年/6〜7歳 紙本墨画淡彩/短冊 栃木県立美術館蔵
  • 《池亭聞蛙(ちていもんあ)》1922年/14歳 紙本墨画淡彩/掛軸(仮巻) 個人蔵
  • 一番左:《藤花好》1926年/18歳 絵本墨画着色/掛軸 個人蔵
  • 一番左:《雁来紅図》1931年/23歳 絵本着色/掛軸個人蔵
  • (左)《秋色》1930年代半ば 絹本着色 田中一村記念美術館蔵
    (右)《秋色》昭和10年代 紙本着色 田中一村記念美術館蔵
  • 《椿図屏屏風》1931年/22〜23歳 絹本金地着色/屏風 千葉市美術館蔵
第2章 千葉時代「一村」誕生

昭和初期からしばしば千葉を訪れ写生を行っていた一村ですが、1938年に千葉市へと拠点を移します。1947年、数え年で40歳という節目の年に田中米邨から「柳一村」と画号を改め、青龍展に《白い花》を出展し初入選しました。

<<主な出品作品>>

  • 展示風景
  • 《桐葉に尾長》昭和10年代 絹本着色/額装 個人蔵
  • 《乾坤一艸亭図》昭和20年代半ば 紙本墨画/4曲1隻(旧襖4面) 田中一村記念美術館蔵
  • (左)《「枯木にきつゝき》昭和20年代 絹本着色/額装 個人蔵
    (中)《柿にかけす》昭和20年代 絹本着色/額装 個人蔵
    (右)《葦によしきり》昭和20年代 絹本着色/額装 個人蔵
  • 《白い花》1947年 紙本金砂子地着色/屏風(2曲1隻) 田中一村記念美術館蔵
  • 《白い花》1955年 絹本着色/額装 栃木県立美術館蔵
第3章 己の道 奄美へ

1958年 50歳の一村は奄美大島に単身移住。大島紬工場の染色工の仕事で生計を立てながら絵を描き続けました。1967年に5年間働いた紬工場を辞めると、1970年までの3年間絵画制作に専念し、《アダンの海辺》をはじめとする奄美に於ける主要な作品を制作しています。1977年、引越したばかりの一軒家にて69歳の一生涯を終えました。

<<主な出品作品>>

  • 展示風景
  • 《枇榔樹の森》1973年以前 絹本墨画着色/額装 田中一村記念美術館蔵
  • 展示風景
  • 展示風景

「閻魔大王えの土産品」と手紙に記した一村の代表作の2点。

  • 《アダンの海辺》1969年 絹本着色/額装 個人蔵
  • 《不喰芋と蘇鐵》1973年以前 絹本着色/額装 個人蔵

300点を超える田中一村の「不屈の情熱の軌跡」をたどる魂の絵画。
東京都美術館でご堪能ください。

田中一村展 奄美の光 魂の絵画
Tanaka Isson: Light and Soul
<開催概要>

会期:2024年9月19日(木)―12月1日(日)
開館時間:9:30 ~ 17:30(金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
会場:東京都美術館 企画展示室 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、鹿児島県奄美パーク 田中一村記念美術館、NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社
協賛:DNP大日本印刷
監修:松尾知子
URL:https://isson2024.exhn.jp/