6 2023

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テート美術館の豆知識 編

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2023年05月28日

角砂糖の製造業者が
創立した美術館

7月から開催されるテート美術館展にちなみ、鑑賞前に知っておきたいテート美術館の歴史や豆知識を紹介する。

今では英国を代表する美術館として世界に名を広めるテート美術館だが、創立したのは角砂糖の製造で財を成したヘンリー・テート卿。自身が所有していた1800年代の絵画コレクションをナショナル・ギャラリーに寄贈しようとしたところ、管理するスペースがないと受け取りを拒否されたことに端を発している。当時、フランスが同時代の絵画をコレクションする国立の美術館を開設して国内外の注目を集めていたこともあり、英国内でも美術館を開館せよ、というムードが高まっていた。ならばとテートが私財を投じて1897年にテムズ河畔に美術館を開設した。それがテート美術館の始まりである。

当初はナショナル・ギャラリーに収蔵しきれない英国の作品を展示することが設立の主目的だったため、現在所有するターナー、ホガース、ラファエル前派など、英国の名画が徐々にそろえられていった。1900年代初頭になると何度も増築が行われ、作品の収集範囲もテューダー朝以降のものにまで広がっていった。所蔵作品が増えることで繰り返しスペース不足に悩まされることになる。

4つの国立美術館の連合体へ
世界一人気の現代美術館誕生

テート美術館は近現代の作品も増えたが、規模では世界的な現代美術館には到底かなうものではなかった。そのためロンドンに近現代美術に絞った新たな美術館の開館が切望されていた。それと同時に他の国立の美術館との作品構成や役割分担などの話し合いも進められていった。結果、近現代美術の新館テート・モダンを2000年に開館。他、テート・ブリテン、テート・リバプール、テート・セント・アイヴスと、テートは4つの国立美術館の連合体へと進化を遂げた。テートが所有するおよそ7万点もの作品は4つの美術館が共有しているので、定期的に4つの館の間でコレクションを移動している。

テート美術館の小ばなしとして一つ。今でこそ当たり前となったが、テーマごとに作品を展示するスタイルを実践したパイオニア的存在である。そんな熟練のセンスで収集・選別された今回のテート美術館展。行ってみたくなったでしょう?

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