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世界と日本、バーのはじまり 編

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2023年12月10日

酔っ払いとの区切りが起源
バーの歴史は200年ほど

種類は色々あれど、お酒を楽しむ場として定着しているバー。そのはじまりや言葉の由来を知っているだろうか。

バーが出現したのは1800年前後のアメリカ西部開拓時代といわれている。たるに入った酒を量り売りするスタイルだったが、お酒が入り酔っ払ってくると店員を無視し勝手にたるから酒を注ぎ飲んでしまう困った客が多くいたそう。そこでたるに手が届かないように、客と酒だるを区切るために横木(BAR)を置いたのだとか。以降、酒場のことをバーと呼ぶようになった。

ちなみに、バーテンダーといわれ始めたのは1830年ごろ。酒場を意味するバーと世話役を意味するテンダーを合わせた合成語だ。

アメリカでバーが誕生して60年ほどの月日がたった1860年(万延元年)、日本で初めてのバーが誕生する。場所は横浜外国人居留地に開業した横浜ホテル。ただ、当時は外国人向けに営業していたため、日本人がバー文化に触れるのは、もう少し後のこと。

日本のワイン王が創業
文豪たちが愛した名門バー

日本人が通うようなバーが誕生したのは1912年(明治45年)のこと。後に日本のワイン王と呼ばれ、国産洋酒の先駆者として知られる神谷傳兵衛が、洋酒を販売していた「みかはや銘酒店」を西洋風に改装し「神谷バー」を開店。バーといってもカウンターはなく、広いホールにテーブル席が並び酒を楽しむレストランスタイル。

どのバーにもシグネチャーカクテルがあるが、神谷バーにも開業当時から人気のカクテルが存在する。その名も「電気ブラン」と呼ばれるもの。ブランデー、ジン、ワイン、キュラソー、薬草をブレンドしたアルコール度数45度というかなり強いカクテルだった。明治時代、電気という言葉はハイカラの象徴だったことからこの名前が付けられたといわれているが、あまりにもアルコールが強いため、飲むとビリビリと電流が走るような舌触りということから電気ブランと名付けられたとの説もある。

この電気ブランに心を奪われたのが多くの文豪たち。太宰治の「人間失格」、芥川龍之介の「十円札」、萩原朔太郎の詩などに神谷バーや電気ブランが登場する。

文豪たちをはじめ、多くの人々にバー文化、カクテルを広めた神谷バーは、令和の今も多くの人々を魅了し続けている。

参考資料:神谷バーウェブサイト 他

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