コラム
ART
posted by 日経REVIVE
[速報] GO FOR KOGEI 2024
くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの
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2024年10月04日
北陸 金沢・富山で開催されている「GO FOR KOGEI 2024」のプレスツアーに参加しました。
展示作品や見どころを速報でお伝えします。
「GO FOR KOGEI 2024」の概要についてはこちらの記事を御覧ください。
「GO FOR KOGEI 2024」開催前日(2024年9月13日)のプレスツアーでは、秋元雄史さん(総合監修・キュレーター/東京藝術大学名誉教授)、高山健太郎さん(共同キュレーター/株式会社artness 代表)と一緒に、東山エリア(石川県金沢市)と岩瀬エリア(富山県富山市)に展示されている作品を巡りました。
速報では、展示作品の一部をご紹介します。
会期:2024年9月14日(土) ー 10月20日(日)
開館時間:10:00 ~ 16:30(最終入場 16:00)
会場:富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)
休場日:沙石(火曜)、SKLo(水曜)ほか会期中無休
主催:認定NPO法人趣都金澤、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
共済:富山県、富山市
後援:石川県、金沢市、JR西日本
委託:令和6年度日本博2.0事業(委託型)
URL:https://goforkogei.com/
東山エリア
金沢を代表する観光地「ひがし茶屋街」を擁する東山エリア。このエリアでは作品展示のほか、様々なイベントが開催されます。体験を通じた「こと」として工芸を紹介し、工芸のある豊かな暮らしを提案しています。
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まずは、集合場所である四知堂(すーちーたん)Kanazawaにて秋元雄史さんから「GO FOR KOGEI 2024」のみどころとプレスツアーの概要について説明がありました。「東山エリア」は主に生活に即した工芸作品とコラボを中心とした展示を主体とし、「岩瀬エリア」は風景や空間と融合したインスタレーションが中心になっているそうです。
<展示会場> SKLo
<作家> 川合優 x 塚本美樹(四知堂)
四知堂(すーちーたん)Kanazawa 店内(左)と試食でいただいた≪雪Q餅(しゅえきゅうびん)≫(右)。四知堂(すーちーたん)Kanazawa 手作りの台湾の伝統的なお菓子を、川合優さんの≪経木の蓮弁皿≫に乗せています。
≪経木の蓮弁皿≫はイベント終了後、土に還すそうです。
9月中旬とは思えない30度を超える暑さの中、浅野川沿いを歩き、風情ある東山の小路を抜け、次の会場に向かいました。
<展示会場> KAI
<作家> 赤木明登 x 大谷桃子
赤木明登さんは輪島塗の分業制の歴史や軌跡をたどり、今年1月の震災によって甚大な被害を受けた産地の復興に向けた思いを込めたといいます。
壁面には大谷桃子さんのハスをモチーフにした絵画が描かれています。
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展示会場「KAI」
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赤木明登《椀木地荒型組》一部 2024
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赤木明登さん
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赤木明登×大谷桃子 KAI 展示風景
<展示会場> LOCOLOCO HIGASHI 204号、INSPICE kanazawa、喫茶グライダー
<作家> 八木隆裕(開花堂)
1875年に京都で創業した手作り茶筒の老舗・開化堂はお茶やデザイン、インテリアの業界でも支持され、国内外に多くの顧客やファンがいます。今回はリメイク缶による作品の展⽰や、店舗とのコラボレーションも行っています。
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八木隆裕(開化堂)《Recreate Caddy》廃材をリメイクした茶筒
<展示会場> KAI 離
<作家> 三浦史郎 x 宴 KAI プロジェクト
東山の街並みから少し離れ、坂道を登っていくと8室のうち6室を改築して倉庫にした空間に宴KAIプロジェクトの展示があります。
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展示会場「KAI 離」
<展示会場> tayo
<作家> 竹俣勇壱 x 鬼木孝一郎
鬼木孝一郎が持ち運びできる照明器具をデザインし、竹俣勇壱とのコラボレーションとして、竹俣のビューイングルーム「tayo」にて新たな家具を製作し、金属のある暮らしを提案しています。冷たさをしっかりと伝える真鍮のおちょこで桝田酒造店の満寿泉をいただきました。
以上で、金沢・東山エリアの鑑賞を終え、富山・岩瀬エリアに向かうバス内で四知堂(すーちーたん)Kanazawaのお弁当をいただきました。
岩瀬エリア
富山駅から車まで北へ約15分の距離にあり、昨年の「GO FOR KOGEI 2023」でも会場となった「岩瀬エリア」。歴史ある街並みを更新し続ける岩瀬と、工芸や現代アートの多様な表現が交わり、新しい空間を演出しています。
<展示会場> New An
<作家> 磯谷博史、外山和洋、澤田健勝、安田泰三、釋永岳
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安田泰三 展示風景
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New An 展示風景
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釋永岳 展示風景
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外山和洋 展示風景
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外山和洋 展示風景
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磯谷博史 展示風景
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磯谷博史 展示風景
<展示会場> 桝田酒造店 満寿泉
<作家> 舘鼻則孝、葉山有樹
桝田酒造店 1階の酒蔵の中に、ひっそりと静かにハイヒールが光を放ち、
2階に上がると、カミナリと雲をモチーフにした作品が床一面に広がっています。
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葉山有樹《双竜》2023年
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舘鼻則孝 《ヒールレスシューズ》 2018-2023年
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舘鼻則孝 《ヒールレスシューズ》 展示風景
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舘鼻則孝 《ディセンディングペインティング“雲龍図”》 2024年
<展示会場> セイマイジョ
<作家> 石渡結
左の作品は作家自身の身体(トルソ)をモチーフにし、右は作品を制作中の生活をイメージしたそうです。
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石渡結 左から《Tabula Rasa》、《Vita》 2024年
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石渡結 《Vita》 2024年
<展示会場> 酒蕎楽くちいわ 青蔵、Ao Bar
<作家> 伊能一三、岩崎努、五月女晴佳
岩瀬のメインストリートから一本入ると蔵が立ち並び、静寂の中、作品がその存在感を醸し出しています。柿の木彫を制作した岩崎努さんは「自分が見たままを、自分が創りたいように、創りあげた作品です。」と短く説明しながらも、作品への自信と誇りがしっかりと伝わってきました。
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岩崎努《嘉来》2020-2024年
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岩崎努《嘉来》2020-2024年
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五月女晴佳 《蠱(まじ)》 2023年
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伊能一三 展示風景
<展示会場> KOBO Brew Pub
<作家> 舘鼻則孝
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舘鼻則孝 《ディセンディングペインティング“雲龍図”》 2024年
<展示会場> ピアット スズキ チンクエ(屋外)
<作家> 岩村遠
京都に生まれ、金沢で工芸を学び、そのベースを持って渡米し、国際的なネットワークを構築。幼い頃に影響を受けたマンガやアニメからインスピレーションを得て、デフォルメし、釉薬と粉状顔料を駆使して、色彩豊かな立体作品を制作しています。
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岩村遠 展示風景
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岩村遠さん
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岩村遠《Neo Jomon: Red Mask》2024年
<展示会場> Aka Bar
<作家> 五月女晴佳
唇と漆の相関性に強く共感を覚え、唇をモチーフにした作品を漆で制作しているそうです。蔵ならではの暗さと酒瓶の空間に作品がシンクロし、一体感のある雰囲気を醸し出しています。
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五月女晴佳さん
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五月女晴佳 《Bondage》 2020年
<展示会場> 桝田酒造店 沙石
<作家> 柿沼康二
「うまく書こうと思えば、いくらでも書ける」と豪語する柿沼さん。文字に魂を込めて、”伝える”ことを重視した作品の数々に圧倒されます。展示会場の随所に彼の息遣いが感じられるので、現地で見つけてみてください。
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柿沼康二さん
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柿沼康二 《ぶちぬく》 2024年
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柿沼康二 《ぶちぬく》 2024年
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柿沼康二 展示風景
<展示会場> 富山港展望台
<作家> サリーナー・サッタポン、松山智一
タイの少数民族出身の作家 サリーナー・サッタポンが、住む場所を追われた際の家財や荷物を持ち運ぶバッグと工事現場で使用される仮設足場を使用したパフォーマンスを、ぜひ現地で御覧ください。
ニューヨークをベースにする松山智一は今回のために制作・帰国して「GO FOR KOGEI 2024」に参加。湾岸にちなんでコンテナ内に設置した作品はライトアップされる夕方以降が見ものです。
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サリーナー・サッタポン 《バレン( シアガ) アイビロング: 富山》 2024年
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松山智一 《All is Well Blue》 2024年
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松山智一 《ホイールズ・オブ・フォーチュン》2020年
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松山智一 《ホイールズ・オブ・フォーチュン》一部 2020年
以上、金沢・東山エリアと富山・岩瀬エリアで開催される「GO FOR KOGEI 2024」の作品の一部をご紹介しました。
ここでは伝えきれない作品も多数あり、それら作品の持つ存在感と作家が作品に込めた思いを、ぜひ現地で感じてみてください。
詳細はGO FOR KOGEI 2024 ホームページをご確認ください。