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コラム
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あんこの歴史と東京の甘味処紹介 編
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2025年03月30日

和スイーツの要
あんこの変遷
和スイーツには欠かせないあんこ。その始まりをご存じですか。
あんこの原料である小豆を使った料理を食べ始めたのが弥生時代のこと。無病息災や魔よけを祈願し行事の際に食べられていたといいます。現在のあんこの原型が伝わったのは飛鳥時代。遣隋使により伝えられたとされていて、当時はまんじゅうの中に詰める野菜や肉などの具材のことを意味していました。その後、禅宗が伝わる鎌倉時代になると肉食を避ける教えにより、小豆を用いた小豆あんが誕生します。ただ、今のような甘いものではなく、塩味が主流でした。ちなみに塩味のあんこを餅に挟んだ郷土料理が今もなお味わえるのをご存じでしょうか。埼玉県北部に伝わる「塩あんびん」です。
砂糖を一切使わず塩だけで練り上げた小豆あんを軟らかな餅で包んだ一品。ぜひご賞味あれ。
小豆あんを庶民が口にできるようになったのは江戸時代に入ってからです。それまで貴重とされていた砂糖の国産化を江戸幕府が推進したため、一気に甘い小豆あんが広まり楽しめるようになりました。この頃から小豆あんを使った大福、どら焼き、おしるこ、あんみつなど現代にまで続くおやつ文化が広まっていきました。
数年前から空前のあんこブームが続いていますが、理由は植物由来でヘルシーであることが挙げられます。無添加でシンプルな製法が健康志向高まる現代人にフィットしたようです。古くからあるあんこ菓子に加えてネオ和菓子なるものも誕生し、ますますあんこ熱は高まっているようです。
松浦弥太郎さんも通う
東京・甘味処3名店
お散歩途中に立ち寄るのにおすすめの甘味処をご紹介します。
・人形町 初音
北海道十勝産、特Aランクの小豆をはじめ、伊豆諸島のテングサで作った寒天、奄美諸島の黒糖といった素材へのこだわりと丁寧な手仕事が秀逸です。
・浅草 梅園
安政元年(1854年)浅草寺の別院、梅園院 の一角に茶屋を開いたのが始まり。名物はこしあんと餅きびを合わせたあわぜんざい。品のある甘みと香りを楽しめます。
・上野 みはし
昭和23年(1948年)に上野に創業。名物は素材と昔ながらの手作りにこだわった、あんみつ。ふっくら炊き上がった小豆は一度食べたら忘れられないおいしさ。
参考資料:日本あんこ協会ウェブサイト他