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大阪・関西万博開催記念
大阪市立美術館リニューアル記念特別展

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

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2025年07月10日

特別展「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

Van Gogh’s Home: The Van Gogh Museum.
The Painter’s Legacy, the Family Collection, the Ongoing Story

2025年7月5日(土)に大阪市立美術館で開幕しました。

本展は、ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てます。

ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上に加え、日本初公開となるファン・ゴッホの貴重な手紙4通なども展示します。現在のファン・ゴッホ美術館の活動も紹介しながら、本展をとおして、家族の受け継いできた画家の作品と夢を、さらに後世へと伝えてゆきます。

本展覧会のプレス内覧会の模様をレポートします。

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展示構成

第1章 ファン・ゴッホ家のコレクションからファン・ゴッホ美術館へ

第1章では本展に関わるファン・ゴッホ家のフィンセント、テオ、ヨー、フィンセント・ウィレムについて紹介されています。

展示風景

展示風景

第2章 フィンセントとテオ、ファン・ゴッホ兄弟のコレクション

兄弟のコレクションは、ふたりが生きた時代の雰囲気を伝えてくれるとともに、フィンセントの芸術を理解する大きな手がかりとなります。パリでは同時代の美術も収集し、フィンセントが自らの作品と交換で手に入れた作品は、このとき彼が画家仲間から得ていた評価を示すものでもあります。浮世絵を熱心に購入したのは主にフィンセントで、芸術的な刺激を受けるだけでなく、すでに値が上がっていた印象派の主要画家の作品を、これらと交換で何とか手に入れようと意図したものでもありました。

肩越しにこちらを見る画家を描いた、フィンセントお気に入りの肖像画。サン=レミの療養院からテオに送った手紙では、「ラッセルが描いた僕の肖像を大切に扱ってほしい。僕にとってとても重要なものだ」と頼んでいる。本作の代わりにラッセルに贈られたのは、パリで描いた3足の靴の静物画だと考えられている。ラッセルはオーストラリア出身の画家で、ファン・ゴッホはパリで彼と出会い親しくなり、南仏に移ったあとも交流が続いていた。

ジョン・ピーター・ラッセル 《フィンセント・ファン・ゴッホの肖像》
1886年 油彩、カンヴァス 60.1×45.6cm
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

展示風景

第3章 フィンセント・ファン・ゴッホの絵画と素描

ファン・ゴッホ家が受け継いできた200点を超える絵画、500点以上の素描・版画は、現在ファン・ゴッホ美術館に保管され、世界最大のファン・ゴッホ・コレクションとなっています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《種まく人》
1888年11月 油彩、カンヴァス 32.5×40.3cm
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

フィンセント・ファン・ゴッホ 《画家としての自画像》
1887年12月-1888年2月 油彩、カンヴァス
65.1×50cm ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

展示風景

第4章 ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルが売却した作品

ヨーはテオから膨大な作品を受け継いだのちには、個人収集家や美術館の世界、美術取引の仕組みについても精通してゆきます。ヨーが定期的に作品を売却したのは、親子が生計を立てるためでもありましたが、フィンセント・ファン・ゴッホの評価を確立するという大きな目的のためでもありました。

こうしたヨーの尽力を明らかにするのが、テオとヨーの会計簿です。テオの死後には作品の売却についても記されるようになり、ヨーがどの作品をいつ誰にいくらで売却したのか、生々しい記録が残されました。会計簿の調査・研究は進み、記載されたもののうち、170点以上の絵画と44点の紙作品が特定されています。

テオ・ファン・ゴッホ、ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル 『テオ・ファン・ゴッホとヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルの会計簿』
1889年〜1925年 インク、紙 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

第5章 コレクションの充実 作品収集

1973年、ファン・ゴッホ美術館は主にフィンセント・ファン・ゴッホ財団のコレクションを展示する美術館として開館しました。ファン・ゴッホ作品と家族に受け継がれてきたほかの画家たちの作品を中心としながら、今日までにそのコレクションは少しずつ拡充されてきました。

展示風景

「傘を持つ老人の後ろ姿が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛ての手紙」
1882年9月23日頃 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

「ふたりの掘る女性が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛ての手紙(3枚目)」
1885年8月18日頃 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

イマーシブ・コーナー

幅14メートルを超える空間で体感するイマーシブ・コーナーを会場内に実現!

本展の最後には、「イマーシブ・コーナー」として、ファン・ゴッホの作品を没入体験できる空間で映像が上映されています。

展示風景

展示風景

展示風景
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巡回展情報

東京展 2025年9月12日(金)~ 12月21日(日) 東京都美術館
名古屋展 2026年1月3日(土)~ 3月23日(月) 愛知県美術館

大阪・関西万博開催記念
大阪市立美術館リニューアル記念特別展

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

<開催概要>

会期:2025年7月5日(土)〜 8月31日(日)
会場:大阪市立美術館(〒543-0063 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内))
開館時間:9:30-17:00、毎週土曜日は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日、 7月22日(火)※ただし、7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)、8月12日(火)は開館
観覧料:一般 2,200円(2,000円)、高大生 1,300円(1,100円)、小中生 500円(300円)
主催:大阪市立美術館、NHK大阪放送局、NHKエンタープライズ近畿、 中日新聞社
協賛: NISSHA
後援: オランダ王国大使館、 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、 公益財団法人大阪観光局
協力: KLMオランダ航空
ホームページ:ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
問い合わせ先:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター なにわコール)
※土日祝は日時指定予約優先制。平日にご来館の場合、日時指定予約は不要。
※( )内は20名以上の団体料金
※未就学児、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)は無料(要証明)。ただし、土曜・日曜・祝日に入館する場合は日時指定予約をされた方が待ち時間が少なくご入館いただけます。
※大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。
※学生の方は、ご入館の際に学生証をご提示ください。
チケット購入の際にプレイガイドによって各種手数料が発生する場合があります。
※本展観覧券(半券可)の提示で、あべのハルカス美術館「深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」〈2025年7月5日(土)~9月7日(日)〉の当日券を100 円引きでご購入いただけます。(1枚につきお一人様1回限り有効、他の割引券との併用不可)