11 2022

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コラム

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読書の変化と神保町の歴史 編

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2022年10月30日

活字離れに歯止めかかるか
コロナ禍で増えた読書時間

終戦から間もない1947年(昭和22年)に「読書の力によって平和な文化国家を」という決意のもと始まった読書週間。今年も第76回が10月27日からスタートしている。

社会問題となった活字離れが始まったのは1977年(昭和52年)ごろといわれている。新シニア世代は当時15歳前後だから、活字離れ第1世代ともいえそうだ。その後出版業界の低迷という追い打ちもあり、ますます読書習慣が薄れる傾向にあった。そんな読書離れに待ったをかけたのがコロナ禍だった。
 
Job総研の20歳から69歳を対象とした2021年秋の読書実態調査によると、全ての年代で7割以上が習慣として読書をしていると回答。全体のおよそ4割が、コロナ禍以前と比べて読書時間が増えたとしている。外出自粛によって在宅時間が延び、活字に触れる時間が増えたようだ。

近年、拡充が進みユーザー数が増加している電子書籍だが、同調査によると、読書する際、利用するデバイスで一番多かったの紙媒体で6・6割を占め、スマートフォンが5割だった(複数回答)。世代を問わずアナログ派が多く、中江さんも話していたように、物としての価値が認知されているようだ。

出版不況でもにぎわう
本の街、神保町

紙の本が売れないという出版業界が直面する問題なんぞ、どこ吹く風の状態で今もなお、130店舗以上の書店が軒を連ねる神保町。

今では世界有数の本の街として知られているが、その始まりは明治時代。1880年前後(明治10年代)にこの地域に相次いで法律学校が誕生し、その学生向けに法律書の売買が頻繁に行われるようになったこと。教科書は高価なため、古書店で買うのが一般的だった。そのため神保町に古書店が一気に増加。古書の街となった。

太平洋戦争下、靖国通り沿いの古書店街は空爆を免れている。これは米軍が貴重な古書を守るために避けたのではないかといわれている。

時は流れ、令和の昼下がり。神保町を訪れると古書店の前には人だかりがあり、東京堂書店にも開店と同時に多くの客が入店しにぎわっていた。

まだまだ紙の本も廃れてなるものか。そんな気概が感じられた。出版業界のV字回復を期待したい。

参考資料:Job総研「2021年秋の読書実態調査」、東京都千代田区ウェブサイト

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