7 2023

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路線バスの歴史とトリビア 編

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2023年06月25日

路線バス開業120周年
始めたのは27歳の青年だった

生活の足として欠かせない路線バス。その始まりをご存じですか。
諸説ありますが、日本で最初に路線バスを走らせたのは、京都の西陣で織物商を営んでいた福井九兵衛という27歳の青年でした。

1903年(明治36年)、福井青年は何か新しい事業を起こしたいと燃えていました。交通網の発展が予想されていた京都にいたこともあって、乗合自動車に勝機を見いだしました。とはいっても車とは縁もゆかりもない福井青年。高い志と熱意を持って内国博覧会へ出かけ、海外との車両購入についての交渉を始めます。さすがの行動力でバス事業を開始すると決めてからわずか4日後には政府の意向も確認し、車両が届くのを待っていたといいます。
 
1両2000円(現在の価値にしておよそ2000万円)で売買契約が済んだ2台の車で開業するわけですが、驚くべきはそのスピード感。福井青年がこれだ!とひらめいてから事業をスタートするまでわずか1カ月という早業だったのです。街の人々からの注目も集め、1903年(明治36年)9月20日に満を持して2路線で開業しました。今年でバス事業開始120周年です。福井青年の偉業をたたえ、9月20日はバスの日となりました。

知っていると自慢できる!?
路線バスのトリビア

面白い雑学に富んでいる路線バスの世界のトリビアをご紹介します。

日本のバス停留所の総数は?

国土交通省が2010年にまとめた調査によると、日本全国には合計約25万カ所あるそうです。ちなみに電車の駅の総数は約9200カ所だそうです。

日本一距離が短い&長い路線は?

距離が短いのはJR山手線目白駅から出ている日本女子大前行き(学05)のバスです。乗車時間はおよそ3分、移動距離わずか1.3キロメートルです。一方、一般道を走る路線バスとして一番距離が長いのが奈良県と和歌山県を行き来する八木新宮線です。驚くなかれ、始発から終点までの所要時間は6時間半。途中休憩を3度挟むというのも特徴的です。

路線バスより走る方が早かった!?

福井青年が起こした路線バス事業。最初は屋根もない吹きさらしで冬は非常に過酷だったそうです。また乗客が振り落とされないように速度は時速10キロメートル以下だったそうです。走った方が早かったのですね。

参考文献:路線バスの謎 思わず人に話したくなる「迷・珍雑学」大全(イースト・プレス)、バス趣味入門 いまさら聞けない100の疑問(天夢人)

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