11 2023

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コラム

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化粧水の始まりと令和の男性美容事情 編

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2023年10月29日

美肌意識は室町時代から!?
化粧水の始まりはヘチマ水

肌の保湿に欠かせない化粧水。
日本で化粧水が誕生したのは今から600年以上前の室町時代といわれています。中国から渡来したヘチマを使った「ヘチマ水」がその始まりでした。

ヘチマには抗炎症作用があるため、乾燥、ニキビなどの肌荒れ、敏感肌、あかぎれ予防などあらゆる肌悩みにマルチに対応する植物。その効能に目をつけた先人たちはヘチマ水を「美人水」と名づけ貴族の間で浸透していきました。スキンケアという肌をいたわる概念は一部の人のみですが、すでにこの時から生まれていたのですね。

貴族のものだった美人水こと、ヘチマの化粧水が広く庶民にも使われるようになったのが江戸時代です。今でいうファンデーションや頰紅に該当するおしろいや紅がしっかり肌につくよう化粧下地のような役割を担っていたのがヘチマ水でした。江戸時代からメークトレンドはあったようで、おしろいの薄付きが流行すると人々は素肌美へと意識が向かうように。化粧水も下地の役割から肌にうるおいを与えて整えるという機能を求められるようになるのです。

驚くのは当時出版されていた美容本に化粧水の作り方が載っていて女性たちは皆手作りしていたというのです。女性の美肌への熱意にあっぱれ、です。

美容も多様性の時代へ
男性美容の需要増

日本でスキンケアの概念が生まれておよそ600年。世の中のあらゆる価値観が変わりましたが、人々の美容意識も変化しました。中でも中高年を含む男性の美容需要の高まりが顕著です。

きっかけはコロナ禍。リモート会議が増え、今まで鏡すら見たことがなかった中年層が自分の顔をモニター越しに見てがくぜんとした、などが理由でとある美容クリニックへ訪れる人がコロナ以前より1.6倍増えたといいます。同様にヒゲ脱毛や日々のスキンケア、眉や肌メークにも関心が高まっているという調査結果も出ています。

これら中年層の美容への興味・関心の大きな理由は、清潔感を保ちたい、自分のため、などが多くを占めています。自分も他者も認めるという多様性の思考が浸透している表れではないでしょうか。

今や美容は全ジェンダーのものであり、肌を気遣うことは、人としてのたしなみの一つといえそうです。「肌に無頓着」は、もはや時代錯誤なのです。

参考資料:ポーラ文化研究所ウェブサイト、全国 都道府県別「男性美容意識調査 2023年版」

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