11 2023

肌がきれいだと 気持ちも上向く

|男子も美容入門|

カバー特集

posted by 日経REVIVE

医師 友利新さんの「美容と健康」GOOD LIFE
肌がきれいだと 気持ちも上向く
|男子も美容入門|

posted by 日経REVIVE

2023年10月29日

第二の人生を輝かせる!?
今こそ男性美容の始め時

スキンケアは女性のもの…なんていうのはもう昔の話。
人生100年時代の今、新シニア世代の現役期間は続きます。
いつまでも若々しく、そして健やかでありたいと願うならばまずは自身のスキンケアから始めましょう。
その理由を皮膚科医の友利新先生に聞きました。

NAVIGATOR

友利新

ともり・あらた1978年、沖縄県宮古島市生まれの医師。皮膚科医・内科医として美容と健康を医療で追求すべく、日々クリニックで患者さんと向き合う。他、医師の知見を生かし、美しく生きるための方法をテレビ、雑誌、YouTubeなどあらゆるメディアで発信している。2023年4月からは梅花女子大学の客員教授も務めている。

撮影/オノデラカズオ 編集・文/澤村 恵 ヘアメーク/藤本 希 イラスト/どいせな
アートディレクション/本多康規(Cumu)

肌の美しさは
健康のバロメーターです

化粧水などの化粧品を使ってお手入れをしている新シニア世代はどのぐらいいるでしょうか?その数は未知数ですが、新シニア世代の男性にこそ、これからの人生をより健やかに生きるためにも美容が必要だと思うのです。皮膚科医で美容のスペシャリストでもある友利先生にその理由を伺います。

そもそも肌って性別による違いはありますか? 新シニア世代の肌特徴を教えてください。

「男女で異なるのは、一番は肌の油分量です。男性の方が皮脂量が多いので、乾燥しづらいのが大きな特徴です。一方で油分が多いと水分を維持する能力が低いという面もあります。皮脂分泌が活発なうちは自らの油分で肌を覆うため乾くこともないのですが、年齢を重ねていくにつれて皮脂分泌は低下するので、50代、60代に差しかかり乾燥を感じる方が多くなります。クリニックにも1月、2月の乾燥が厳しい時期になると新シニア世代の男性が、『体中がかゆい』と言って来院されるんですね。絶対何かの病気だと訴えられるのですが、病気なのではなく、肌が乾燥しているんです。かゆみが出ているのは炎症を起こしている状態なので、保湿剤と抗炎症のお薬を処方するのですが、それでもまだ病気だと信じて疑わないのです。まずは保湿剤をしっかり塗ってケアしてもらうのですが、するとピタッとかゆみは止まるのでそこで初めて自分は肌が乾燥していたんだと気付いてもらえるのです」

かゆみなどの不快感として現れないとお手入れには至らないのですね。

「残念ながら新シニア世代の方々に多いですね。年齢的に見てもほとんどの方は乾燥していると認識し、保湿をはじめとするスキンケアの意識を持ってほしいのです。実際、新シニア世代から、美容は女性がするものだ!男が見た目を気にするなんてナンセンス!みたいな声も聞くのですが、見た目を意識している人の方が健康年齢は高いというデータも出ているんですよ」

美肌=健康ということでしょうか?

「そうです。なぜ肌を美しく保った方がいいのかというと、肌がきれいだと健康的に、そしてはつらつとして見えるからです。ポジティブな印象を与えますし、肌がきれいだと自分の気持ちも上向きQOL(生活の質)の向上にも。だから、新シニア世代にとって肌は健康のバロメーターともいえるのです」

  • 「性別関係なく、人は年齢を重ねていくにつれて肌の水分量が減少する生き物。乾燥は美肌の大敵で、あらゆる肌トラブルの要因でもあります。だから日頃の保湿ケアがとても大切なのです」

  • 肌がきれいだと健康的に見えて
    QOLもグッと上がります

  • 「36年ぶりの続編が話題となった映画『トップガン』。前作とほぼ変わらない姿を見せたトム・クルーズ。それは日々のスキンケアや紫外線対策を継続したたまもの。大事なのは続けることです!」

  • うるおいで満たされると
    肌はパッと明るくなるんです

できることからでOK
スキンケアは積み重ねが大事

美しい肌は健康のバロメーター。いつまでもはつらつと元気でいるために新シニア世代には美容医療よりも毎日のスキンケアが大切なのです。

「スキンケアといっても難しいことはありません。毎日の洗顔できちんと汚れや皮脂を落とし、肌を清潔にする。その後化粧水や乳液など肌に合わせた保湿(化粧水だけでは肌がつっぱる感覚がある方は乳液やクリームなどをプラス)をする。外出時には日焼け止めを塗るという3つです。いきなり全てをやろうとすると大変なので、できることからでいいので、毎日コツコツ続けてください。継続は力なりと言いますが、スキンケアで大切なのがまさに継続をすることです。美容医療で一発逆転も不可能ではありませんが、施した美容医療による治療を長持ちさせるのも、毎日のスキンケアなのです」

どれか一つを始めるとするなら、保湿でしょうか?

「乾燥はあらゆる肌トラブルの元凶となり、美肌の大敵ですから、お風呂上がりや朝の洗顔後に化粧水を塗ることから始めましょう。ポイントは化粧水の使用量。ケチらずにたっぷり塗ってうるおいを与えて。まずは奥さまの化粧水を借りてみるのもおすすめです。化粧品のすごさを実感できますよ」

美肌は一日にして成らず。この先の自分へのギフトとしてスキンケアを始めてみませんか?

What's GOOD LIFE for you?
健康であり続ける

  • 「どんなに仕事が充実していても、愛すべき家族や友人がいても、趣味があったとしても、健康じゃないとそれらを楽しむことってできない。だから健康でいることがいい人生を送ることなのかなと思います」

できるものだけでもO K !
スキンケア3 つの基本

STEP#1 洗顔(Face wash)

  • 肌の汚れを落とすことが大事
    できれば洗顔料が理想

    健やかな肌を育む第一歩は、きちんと肌の汚れを落とすことです。皮脂や汚れがたまりやすい小鼻や口の周り、また洗い漏れしやすいこめかみやフェースラインなど丁寧に洗ってほしいですね。入浴の際のついでにせっけんやボディーソープで洗う方も多いと思うのですが、これらは洗浄力が強く体の皮膚より繊細な顔の肌には刺激が強いことも。洗顔後にたっぷり保湿をすればいいのです、可能ならば洗顔料を泡立てて洗ってみてください。

STEP#2 保湿(moistrurizing)

  • 水分を与えると肌が生き生き!
    化粧水で保湿しましょう

    洗顔後に何もつけずにそのままという方。乾燥した肌はくすんで見え、不健康な印象に。また、乾燥した状態が続くと肌のバリアー機能が衰え、炎症を起こしたりかゆみが出てきたりと悪循環に。化粧水で肌を保湿するだけで砂漠化した肌は生き生きと輝きを放ちます。最初は面倒かもしれませんが、化粧水ケアを癖づけておくと、みるみる肌は明るさを取り戻し、見た目が美しくなるだけでなく、乾燥による肌トラブルも避けられます。

STEP#3 日焼け止め(sunscreen)

  • 肌老化の8割は紫外線が原因
    日焼け止めで未来の肌を守る

    肌の老化要因の8割は紫外線です。紫外線は強弱はあれど、365日天候に関わらず降り注いでいます。紫外線によるダメージが蓄積すると、シミとなって肌表面に現れます。シミがあると一気に老けて見えるので避けたいですよね。一番の紫外線対策は日焼け止めを塗ることです。肌に圧迫感のない塗り心地のものもあるので、ぜひ“外出する際は日焼け止め”を念頭に実践してみてください。あなたの肌未来を守ってくれるはずです。

この記事は、2023年10月29日発行の日経REVIVE11月号に掲載された内容です。

取材裏話

11月号「男子も美容入門」友利新先生

友利先生を訪れる男性の相談は「シミを何とかしたい」が圧倒的多数だそうです。シミは老化の象徴で、解消することで肌がきれい→健康そう→信頼感に結び付く→仕事にも好サイクルが生まれるとのこと。私が参加しているテニススクールでは、UVフェイスガードが女性のテニスウエアのスタンダードに。ほとんど目しか見えなく、イスラム教徒のような外見です。都会の真夏、熱中症のリスクよりシミ対策。そんなにもシミを憎むのか。。。