2 2025

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コラム

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生花業界が抱える課題。「飾る前」と「その後」編

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2025年01月26日

経済損失1500億円
花の未来を守るには

花や植物による心理的効果は高く、毎日の暮らしが豊かなものになるといえます。生花店では色とりどりの花が並び、選ぶ楽しさを提供している一方で、消費者にはなかなか知られない「フラワーロス」という深刻な課題を抱えているのも事実です。その現状と一消費者である私たちができることをまとめてみました。

そもそもフラワーロスとは、生産された花がまだいい状態なのにもかかわらず、様々な理由で廃棄されてしまうことです。原因は大きく3つ挙げられます。
①需要を無視したプロダクトアウト方式による生産のため、需要と供給のバランスが崩れてしまっている。②花の規格が厳しく規格外品とされてしまう。③搬送時や保管時に鮮度が落ちてしまうなどです。日本では年間30億本以上の生花が販売されていますが、廃棄されるのはおよそ3分の1に当たる10億本といわれています。これは経済損失額に換算すると1500億円にも上るのです。フードロス同様に、消費見込みが推察しにくいことと、生産・流通・販売の仕組み自体に課題があるともいわれていて、一朝一夕に解決するのが難しい社会課題なのです。また廃棄するのも無傷ではできません。生産や運輸、廃棄に使用された水や電気などの資源の無駄遣いも問題で、環境負荷の高まりも懸念されています。

日常に花を飾ることが
ロス軽減につながる第一歩

生花業界が抱える深刻なフラワーロス問題を解決するために私たち消費者ができることは、日常的に花を購入することです。新型コロナウイルス感染症拡大を皮切りに、生花離れが進んでいるのが現状。ただ、冒頭に記したように、花や植物には絶大なる心理的効果があり、暮らしを豊かにしてくれます。生花店で花を選ぶ時間を含めて楽しむことを暮らしに取り入れてほしいのです。花を飾るとその後の処分が面倒、などの声も耳にしますが、生花を長く楽しむ選択肢の一つとしてドライフラワーがあります。方法は様々ですが、一番手軽なのが自然乾燥法です。
湿度が低く直射日光の当たらない場所に花をつるしておくだけ。1、2週間で完成します。生花とは違った表情を楽しめ、またインテリアアイテムとして活用できるのも魅力です。花を買って暮らしに彩りを与えることが、持続可能な社会づくりの一端を担うのです。

参考資料:フラワーライフ振興協議会ウェブサイト 他

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