11 2021

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銀座1〜4丁目

カバー特集

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寺島しのぶさんと和の銀座散歩

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2021年10月31日

日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん

日本の素晴らしさに触れられる
気持ちのいい街、銀座

毎年恒例の銀座特集。前編の銀座1~4丁目編には歌舞伎役者、七代目尾上菊五郎さんを父に持ち、幼い頃から銀座の街を見てきた女優、寺島しのぶさんが登場。
日々移り変わる銀座の街でも変わらない日本の伝統文化に触れようと、つかの間の秋の銀ぶらを楽しみました。

銀座の景色が大好きです

NAVIGATOR

寺島しのぶ

てらじま・しのぶてらじま・しのぶ 1972年京都市生まれ。 七代目尾上菊五郎、女優・富司純子を両親に持つ。舞台、テレビドラマ、映画と幅広く活躍し、ベルリン国際映画祭銀熊賞、インディペンデント・スピリット・アワード主演女優賞受賞。近作は映画「キネマの神様」「空白」。テレビ朝日系列2夜連続ドラマ「女系家族」がこの冬放送。

撮影/吉澤健太 編集・取材/澤村 恵 ヘアメーク/光倉カオル(dynamic)
スタイリスト/中井陽子(crepe) アートディレクション/本多康規(Cumu)
衣装協力:シャツ、スカート(カオス/カオス丸の内店)ピアス、リング(シンパシー オブ ソウル スタイル/株式会社フラッパーズ)その他、スタイリスト私物

コロナ禍で外国人観光客が激減し、街の様相がガラリと変わった銀座。4丁目のシンボル、歌舞伎座をベースに幼い頃から銀座を訪れていた寺島さんに思い出を聞きました。

「よく銀座はお庭でしょう?なんて言われますが、よく知っているのは歌舞伎座周りの3、4丁目あたり。それこそ父も母も親戚もいたので、子供の頃から歌舞伎座には出入りしていました。いろんな化粧をした役者さんが行き交うのを楽屋前でずっと眺めていましたね。子供の私にとっては一種のアミューズメントパークみたいな場所でした。面白い人がいっぱいいて楽しかったなあ。あと今はもうなくなってしまいましたが、子供服のファミリアの店があったときには、12時になるとクマのキャラクターが出てきてそれを見に行ったり、博品館に連れていってもらったり。時代の流れによって街の雰囲気もだいぶ変わりましたが、今も歌舞伎座かいわい限定ですが、銀座はよくお散歩しています。パリのシャンゼリゼ通りのように、銀座の街って見やすいんです。歩いているだけでいろんなものが目に入るのが楽しくて」

小さい頃から出入りしていたという歌舞伎座に、今は一人息子の眞秀くんを見守る母として通う寺島さん。

「母親として彼を見ないといけないのでプレッシャーを感じるし、大丈夫かなってやっぱり心配。だから自分が子供のときのような気楽な感じでは行けてないですね(笑)。ただ、彼が出演していないときに2人で行く歌舞伎座はとても楽しい。帰りに見たお芝居について話をするんですけど、彼がどんなふうに感じて何をキャッチしたのかを知るのは私にとっても勉強になることが多いんです。子供の視点って本当に面白いの。こんな感じで今、歌舞伎座での新しい時間を過ごしています」

銀座にはゆったり過ごせる
「和」の場所がある

日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん2

  • 日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん3
  • カウンターが寺島さんの指定席。
    「いつもはホットショコラを頼むんですけど、今日は暑いからティーソーダ(現在は終了)に。見た目もかわいらしいしおいしい。ここではお芝居好きのマスターとよくおしゃべりしています。あとは居心地がいいからつい眠くなっちゃうの(笑)」と寺島さん。

日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん4
従来の線香やお香のイメージを払拭するカラフルな見た目と多数の香りを展開する香十のお香。
寺島さんも目を輝かせながら香りをお試し。「バラやかんきつ系なんかもあるんですね。すてきな香り」。和花と香木をモチーフにした「いろは」は全12種。桐(きり)箱入りの3種はギフトにも。3300円(税込み)。

  • 香道の一つである香木の香りを聞く聞香を体験。
    沈香(じんこう)という香木を香炉でたき、その香りの奥深さを堪能する。
    「こんなに少しだけなのにものすごい香り。心を落ち着かせて香りを体に取り込む感覚ってとてもぜいたくですね。なんだか頭もすっきり」とすがすがしい表情の寺島さん。
  • 日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん5

銀座の街も和の文化も
改めて知る奥深き魅力

明治時代に文明開化の象徴として西洋風の街づくりがされた銀座。時を経てハイブランドの店舗やショッピング施設、今どきのカフェなどが軒を連ねるようになっても歌舞伎をはじめ、器、香道、茶道、華道など和の文化が残り、それらに触れられる街でもあります。歌舞伎の家に生を受けた寺島さんも幼い頃から和の文化は身近にあったそう。

「実家ではいつもお線香がたかれていたのもあって、お香の香りは落ち着きますし、すごく好きです。ディフューザーよりお香の方が、匂いが残るじゃないですか。家のドアを開けたときにいい香りっていつも思いたいですし、気持ちも落ち着くのでお香にはこだわりがありますね。あとは着物を着る機会も多いので、たもとに忍ばせる匂い袋など、日ごろから和の香りに包まれています。今日お邪魔した香十さんで初めて聞香を体験しましたが、神経が研ぎ澄まされつつも、すっと軸が整う感覚が新鮮でした」

香の他にも相手を思い手紙を送ることも積極的にしているのだとか。

「手紙を書くのはもともと好きなんですけど、歌舞伎界の奥様方からいただくお手紙に本当に感動して。人からしてもらってうれしいことはまた誰かにしていきたいなって。ただ、墨の筆とかじゃないですよ。筆ペンか万年筆ですけど、自分の気持ちを一言でもいいからしたためて送るようにしています。これは息子にも繰り返し伝えています。すごく面倒くさがるんですけどね」

日本の素晴らしさを再確認
日々、夫と息子から
刺激と学びをもらっています

寺島さんといえば、フランス人のご主人と国際結婚をして来年で15年。「夫は私以上に日本が好きですよ」と寺島さん。

「よく夫が言うんですけど、日本にはいいところが山ほどあるのにすぐ洋風にしてしまうのはなんでだろう? すごくもったいないって。私からすると当たり前になってしまっていることも夫には不思議なことだったりして。夫の日本を知ろうとする姿勢や視点はとても勉強になります。逆に日本の魅力を教わっています。歌舞伎も大好きで見るたびに感動していますよ。和の伝統も銀座の街も日本のすてきな文化。これからも大切にしていきたいですね」

日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん7

日経REVIVE 2021年11月号カバー特集 寺島しのぶさん6
「器もこだわりたいんですけど、割ってしまうんじゃないかと心配で。日々の食卓では白の器を使うことが多いですが、こんなガラスの器が加わるときっとすてきだろうな」と寺島さん。
写真上:ガラス作家、谷口嘉の作品。
写真左:清潔感、清涼感の中に力強さも感じる加藤委の青白磁。

日経REVIVE 2021年11月号カバー特集8

  • 野草、茶花の専門店「野の花 司」には、通常のフラワーショップではお目にかかれない野の花や珍しい和花など常時50種類以上がそろう。
    切り花や枝ものに加えて苗の販売も。
    2階では自家製の甘味や煎茶、お抹茶などを楽しめる茶房とギャラリーも展開。
    蔵の内部をイメージした店内でゆったりとした時間を過ごすのもおすすめ。
  • 日経REVIVE 2021年11月号カバー特集9

この記事は、2021年10月31日発行の日経REVIVE11月号に掲載された内容です。

取材裏話

11月号「銀座1〜4丁目」寺島しのぶさん

撮影日はちょうど坂東玉三郎さんと片岡仁左衛門さんが、なんと38年ぶりに共演する「東海道四谷怪談」の上演日ということもあり、にぎわっていました。そんな中、寺島さんは芸能一家で育った特有のオーラをまとって登場、目を引きます。かつてあった銀座セゾン劇場は女優として故蜷川監督に鍛えられた、寺島さんにとって思い出深い場所。セゾン劇場はその後、名前を変え、2013年には閉館してしまいますが、久々に名前を耳にすると、懐かしい気持ちになるREVIVE読者も多いのではないでしょうか。

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