7 2022

自然の中でゼロから作り上げる楽しさが魅力

|キャンプ飯|

カバー特集

posted by 日経REVIVE

清水国明さんの「キャンプ飯GOOD LIFE」
自然の中で食べるごはんは何だってごちそうだ!

posted by 日経REVIVE

2022年6月26日

日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さん1

作る楽しさ、食べる喜び
五感で感じるキャンプ飯の魅力

大自然を全身で味わうのがキャンプの醍醐味(だいごみ)。
感じる面白さは人それぞれだが、野外で食べる食事、「キャンプ飯」の楽しさは共通ではないだろうか。
キャンプ歴71年でキャンプ=人生そのものだという清水国明さんにキャンプ飯の魅力を聞きました。

NAVIGATOR

清水国明

しみず・くにあき1950年福井県生まれのタレント、アウトドア愛好家。1973年にフォークソングデュオ「あのねのね」で芸能界デビュー後、テレビやラジオの司会、コメンテーター、執筆など幅広く活躍。自然環境派、スローライフ実践者としても知られ、講演などもしている。

撮影/池田佳史 編集・取材/澤村 恵(編) ヘアメーク/甲斐美穂
スタイリング/筧 玲子 アートディレクション/本多康規(Cumu)

アウトドア愛好家として自ら楽しむだけでなく、キャンプ場を運営したり、様々なキャンプギアをコラボレーションしたり、その魅力を伝えるために活動したりしている清水国明さん。聞けばキャンプ歴は71年にもなるのだとか。

「僕ね、福井県の山の生まれでね。実家は林業、農業をやっていたからまさにアウトドアな環境で育ったんです。だからキャンプ歴はそのまま生きてきた年数だと思っています。小さい頃はそれこそ山が遊び場だったわけで、自然の偉大さや魅力には生まれながらにして魅了されていたのかもしれません。それは今もずっとなんです。時間ができればすぐキャンプに出かけていますね。最近は海キャンプが楽しいです」

キャンプマスターとして日本のみならず世界中の自然の中で遊び尽くしてきたという清水さん。

「いろんなところへ行ったよ。1人で行ったり家族で行ったりなんだけど、上の娘たちが小さい頃にはアラスカへ連れていったりね。マイナス40度の中でのキャンプ。ワイルドでしょう(笑)。寒い寒いって言うから次はミクロネシアの無人島に連れていったりもしましたよ。朝から気温が40度近くになる場所なんだけど、今度は暑い暑いって(笑)。日本の瀬戸内の無人島にも行ったり。きのうまでは宮古島にいましたし、家にいてもやることないからね。自然の中にいたいんです」清水さんにとってキャンプの魅力って何でしょうか?

「五感をフルで使ってる感覚を味わえることかな。今って特にスマートフォンや家電の発展で、日々の生活のほとんどを機械がやってくれてるでしょう? 暑いとか寒いとか感じない。常に快適なわけ。出番のない自分の中の機能を持て余していることがストレスなんですよね。それが自然の中だとフルで使えるんですよ。エアコンもない中で寒いと毛穴は縮こまるし暑いとドバッと汗が出る。本来当たり前である感覚を得られることが、僕の場合はリラックスにもつながっているんです。暑い、寒い、痛い、臭い、これらを感じると体って喜ぶんですよ」

キャンプのメインイベントである食事ですが、清水さんのこだわりは?

「シンプルが一番。はっきり言って何食べてもおいしいの。僕は20年以上ダッチオーブンでキャンプ飯作ってて、きょうご紹介した鶏ご飯を毎度作るんだけど、季節によって、気温、体調、たき火の加減など様々な条件が毎回違うから同じ仕上がりにはならないんだよね。それがまた面白いんです」

何百回と作ってきたけど一度も失敗がない
それがいいんだよね、ダッチオーブンって

  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯1
  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯2
  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯3
  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯4
  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さん2
  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯5

日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯6
「丸鶏を1羽使う鶏ご飯。しょうゆとバターが合わさってできたおこげが本当おいしいの。ちょっと焦げちゃったけど、食べられる部分があればそれはもう大成功なんです。外で食べる飯って何でもごちそうになる」

日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さんのキャンプ飯7

好きなことをやり続けて
100%生き抜きたい

日々テレビの仕事をこなしつつ、プライベートではキャンプに出かけ、さらにはアウトドアや電子機器関連など、5つの会社を持つビジネスパーソンとしての顔も持つ清水さん。そのバイタリティーは一体どこから生まれるのでしょうか?

「好きなことを続けることかな。年齢を重ねると体力や気力の衰えとともに、もう年だしやめておこうかなとか、ネガティブ思考が勝りがち。人生をグラフに例えると右肩下がりなわけよ。そんなのもったいないじゃない。どんな死に方したいのかをポジティブに捉えてその死に向かって逆算すると今になるわけだから。じゃあ今好きなこと続けていようよって思うわけ」

清水さんの場合はキャンプですか?

「そうですね。もはやアウトドア=生きることなので続けていきたいね。子供たちには、パパは自分で作ったロッジのウッドデッキでロッキングチェアに座って最期を迎えるって言われているぐらい(笑)。でも本当にそうなるかもしれないね。未来のことは誰にも分からないけれど、1つ言えるのは、老いや死に追われる人生より、それらを逆に追っかけるような人生を送りたい。人生を100%楽しみ尽くしたい
んです」

持て余している五感をフルで使える
それがキャンプの醍醐味です

日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さん4
「キャンプの醍醐味って五感を使いながら何もないゼロの状態から火をたいて、寝床や飯を準備し空間をつくり上げていくこと。自然の声に耳を傾けながらその場の空気や音を感じ取る。ぜいたくな時間です」
※たき火台とBBQグリルの脚の高さは30センチメートル以上。撮影のため特別に使用。 ※まきの使用は禁止。BBQの際は木炭のみ可。

  • 日経REVIVE2022年7月号キャンプ飯 持っておきたいキャンプ飯ギア1
  • キャンプ飯のベースになる
    たき火台とダッチオーブン

    「キャンプで一番大切なのは火です。調理に使え、暖をとることも、明かりをとることもできますから。マイたき火台とダッチオーブンがあるとキャンプ飯の幅がぐっと広がりますよ。ちなみに僕のたき火台は鍛冶屋さんに作ってもらったオリジナル。すごい重いんだけど、気に入っています」
  • 日経REVIVE2022年7月号キャンプ飯 持っておきたいキャンプ飯ギア2
  • キャンプ飯がぐっとリッチに
    コーヒーギアでこだわりの1杯を

    「キャンプ飯のお供には酒を飲むこともありますが、食後の1杯はコーヒーがいい。インスタントでももちろん、外で飲めばおいしいんだけど、こんなふうにハンドドリップでいれるのもいいですよ。好きな豆を持っていって手動ミルでガリガリひいて、ドリッパーに湯を注ぐ。コーヒーをいれるというこの時間がぜいたくだよね」

What's GOOD LIFE for you?
直角に死ぬこと

  • 「人生のグラフがあるとするなら右肩上がりでもなく、右肩下がりでもない。常に100%マックスの数値を出
    し続けて死にたい。だから死ぬときはグラフが一気にゼロになるので“直角死”なんです」(笑)
  • 日経REVIVE 2022年7月号カバー特集 清水国明さん6

この記事は、2022年6月26日発行の日経REVIVE7月号に掲載された内容です。

取材裏話

7月号「キャンプ飯」清水国明さん

撮影中の雑談の合間にでてきた「ねこニャンニャンニャン」そういえば、どこかで聞いたフレーズ…。子どものころに聞いた、あのねのねさんの歌でした!!今Tiktokで流行っているとのこと。清水さんは最近友だち確認ライブを行い、友だちの断捨離を行ったとか。しかし「原田が来てくれなかったんだよ」とこぼしていました。ところで今回のキャンプ飯「鶏ご飯」は、具に清水さんのお知り合いからいただいたアワビ、カキも入れており、うま味だしがたっぷり。最高においしいキャンプ飯をいただきました。

記事内で紹介している場所

関連記事