4 2024

心身が充実する 散歩のすすめ

|歩いて健康|

カバー特集

posted by 日経REVIVE

かたせ梨乃さんの「健康散歩」GOOD LIFE
心身が充実する 散歩のすすめ
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2024年3月31日

自分の新しい感性と出合いたい
だから今日も歩くんです

お散歩やウオーキング=歩くことは体の健康はもちろん、心の健康にいいの。
歩くことが大好きだという、俳優のかたせ梨乃さんに健康散歩の魅力や飽きずに続けるコツを伺いました。
さあ、外に出て歩きましょう!

NAVIGATOR

かたせ梨乃

かたせ・りの1957年東京・目白生まれの俳優。大学在学中にCMモデルとして芸能界デビューし、バラエティー番組のカバーガールとして活躍。1978年のテレビドラマ「大江戸捜査網」で俳優として活動開始。以降、映画「極道の妻たち」やNHK大河ドラマ「花燃ゆ」など多くの映画、ドラマに出演。

撮影/吉澤健太 取材・文/澤村 恵 ヘアメーク/山岸直樹(Rouxda.)
アートディレクション/本多康規(Cumu)

歩くってね、心にいいの。

もともと体を動かすことが好きだというかたせ梨乃さん。

「昔はジョギングをしていたんです。凝り性な性格なのか、いっときハマっちゃってロケ現場から荷物は付き人さんに預けて走って帰る、なんてこともしていました。でもね、年齢を重ねていく中で走るのって体に負担がかかるし、体力も必要でいろいろとバランスを取らなくちゃいけない。無理して運動するのって全然健康的じゃないでしょう?自分の体と相談しながら気持ちよく運動することが大事だなと思うようになってスイミングにシフトしたんです」

しかしコロナ禍になったことで事態は一変。

「ジムも閉まってしまい、今まで週に5日泳いでいた私はどうしたらいいの?と。泳ぐことで発散していたフラストレーションはたまる一方でした。もともと歩くことは好きでしたが、コロナ禍がきっかけでよりたくさん歩くようになり、今では日課になりました」

多いときは10キロメートルほど歩く日もあるというかたせさん。

「数字で見るとすごい!と言われるんですけど、そんなに大変じゃないんですよ。朝起きて小一時間かけて近所をお散歩するんですけど、歩くのって私にとっては健康のためというよりも、考えごとをしたり、新しい感性と出合うためのインプット時間という役割の方が大きいかも。というのも、家の中って壁、天井、床と四方が囲まれていて圧迫感があるじゃない?そういう環境で考えごとをしているとそのサイズ感に収まっちゃう気がするの。壁に向いていると気付くと押し問答になっていたりするのだけど、外で歩きながらだと全然違う。うれしいことも悲しいことも全部宇宙が受け止めてくれる感じがするんです。ものごとを広く捉えられることに加えて歩くことで健康にもプラスになっていると感じます」

お散歩が日課になって感じた変化はありますか。

「同じ街も毎日表情が違うと気付けたこと。違いを知ったことで新たな思考の引き出しが増えたかな。あとは姿勢が良くなりました。歩いているときだけじゃなく、家にいるときもいい姿勢をキープできて、いいことよね!」

お散歩ってね、歩いて健康
+“考える”時間と“感じる”時間なんです


「朝は人も少ないし、空気がよどんでいないからクリアな気がして気持ちがいいの。最近は早寝早起きが習慣づいていて、朝6時過ぎから歩いています。大体5 、6キロメートルを40 、50分かけてゆっくりと」


「スマホで地図は見ません!方向音痴ですが、気になる方へぐんぐん進む。それが散歩の醍醐味。道に迷って、どっちから帰るんだっけ?となることもあるけど、バスに乗るなり、タクシーに乗ればいいからいいの」

無理はしない!がモットー
量より質。心の変化に注目を

お散歩を続ける上で、かたせさんにはモットーがあります。

「歩いている途中で足が痛くなったり、疲れたりすることもあると思うんですけど、そういうときに頑張って最後まで歩いて帰ろうとはしません。そういうときは迷わずタクシーやバスに乗ることにしています。あとは道に迷ってしまったときも(笑)。無理してまで歩くことは健康じゃないもの。それは心身共に言えることだと思います」

そんなかたせさん、お散歩は距離ではないと明言。

「私にとってはお散歩は心のサプリのようなもの。1日ずっと家にいるのではなく、ほんの10分でもいい。家の周りを1周だけでもいいと思うの。外に出て風や日差しを感じながら歩いてみてください。リフレッシュになるから。これからはきれいな花々が咲くいい時期。お散歩始めにぴったりですよ」

5月に67歳を迎えるかたせさん。これから先をどのように捉えていますか。

「今私が思うのは、年相応って何だろう?ということ。何歳だからこうあるべきという考えは違いますよね。昔は今の年齢になったらおばあちゃん役をと思っていたけれど、今はいただいた役が何歳であれ演じられるようなオールマイティーな自分でいられたらと思っています。そのためにはお声がかかったときに万全でいられるように健康じゃないと。心身共に今の自分を知ることが大切だと思うし、知るためにもやっぱり歩くことは欠かせないなと思うのです」

  • 「恵比寿のガーデンプレイス近辺は定番のお散歩コース。他には青山墓地から赤坂に抜けるあたりや、芝公園の増上寺も歩くのが気持ちいいエリアです」

What's GOOD LIFE for you?
五感を感じて生きる

  • 「何かを食べておいしい。花がきれいだな。今日は少し寒いな……。良いことも悪いことも両方あるから人生は豊かなの。次どうする?って自分が考える力を持てるのは、五感があって喜怒哀楽を感じられるから」

この記事は、2024年3月31日発行の日経REVIVE4月号に掲載された内容です。

取材裏話

3月号「健康散歩」かたせ梨乃さん

お話はエビスガーデプレイスのカフェで伺いました。インタビューでもうかがえるように感覚を大切にして、ポジティブに生きていらっしゃる様がオーラとなって出てきます。さてウオーキングといえば、友人と山手線一周を5、6回に分けて歩いてみました。変わっていく繁華街の姿、同時にターミナル駅近辺でも住宅地や商店街もあり、その街で暮らす人もいる東京の魅力を発見するよい機会でした。ただしくれぐれも靴にはご注意を!

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