6 2024

暮らしをより豊かにしてくれる

|作家ものの器を探す|

コラム

GOOD LIFE 総研

posted by 日経REVIVE

よりよく生きるヒント GOOD LIFE 総研

焼き物の歴史 編

posted by 日経REVIVE

2024年05月26日

世界最古!?
の焼き物は青森県で発見された縄文土器

日本における焼き物の歴史は古く、始まりはおよそ1万6500年前の縄文時代といわれています。最も古い土器は青森県大平山元で発見されました。その後西暦500年代後半の古墳・飛鳥時代まで長らく土器の時代が続きました。

600年ごろになると高温で焼く須恵器が朝鮮から伝わり、700年には唐から釉薬(うわぐすり)の技術が伝わり、現在の陶器(主原料が陶土)文化の基盤ができあがります。

平安時代に入ると、猿投窯(さなげよう/現在の愛知県)では須恵器、植物灰を使った灰釉陶(かいゆう)器の生産体制が整うまでに。平安時代末期には日用品として山茶碗を大量生産するようになりました。

鎌倉・室町時代には猿投窯の流れをくむ瀬戸が製陶の中心地となり、日用品をはじめ、仏器、祭器などが作られていました。またこの時代に現在六古窯と呼ばれる常滑窯、瀬戸窯、越前窯、信楽窯、丹波窯、備前窯を筆頭に日本各地で製陶が盛んになりました。

室町・安土桃山時代になると茶の湯の流行とともに独自の焼き物文化が形成されます。茶人による抹茶茶碗の好みで「一楽二萩三唐津」という格付けが生まれ、器にアート性が出てきたのもこの頃です。

江戸時代になると有田(佐賀県)で磁器(主原料が陶石)の製造が始まり、その後九谷、瀬戸、京都など日本全国に広がっていきました。磁器は庶民にも流通し日用食器として親しまれました。陶磁器文化は隆盛を極め、現在にも日本文化の一つとして受け継がれています。

知られざる、焼き物の
ちょっとした小話

「太陽の塔」の顔は信楽焼
芸術家、岡本太郎が手がけた大阪万博の象徴である太陽の塔。過去の顔といわれる黒い太陽は信楽焼のタイルでできています。信楽の土と赤色にほれていたという岡本太郎は多くの作品で信楽焼を採用しています。ちなみに、1971年(昭和46年)には信楽町の名誉町民となっています。

世界一高い焼き物価格は?
2017年(平成29年)のサザビーズ香港で約42億4800万円で落札されたのが現在世界一高価な焼き物です。それは宋時代の汝窯青磁筆洗(じょようせいじひっせん)という中国陶磁器。淡い青色が特徴の皇帝用の器として作られたものです。ちなみに個人所蔵で確認されているのは、現在世界で4点のみだとか。

参考資料:日本セラミックス協会ウェブサイト

関連記事