間島秀徳展 二〇二四年「天地無常」

間島秀徳は、能登半島地震の報に接して、東日本大震災を目の当たりにして生まれてきた作品「天地無常」の当時の制作への衝動にふたたび突き動かされました。写真の作品は2021年の展示のために制作された「Kinesis no・749」。くしくも海底から隆起する巨岩が描かれています。
　
彼が描くのは喪失と不安への共感ではありません。驚愕する目に映った自然の猛威、この世ならぬ天地の動きが見せた凄まじいエネルギーの姿です。水という生命のゆりかごが破壊のエネルギーをはらんだ時、どんな相貌なのか。それを描くことが、非力な人類が謙虚に自然と共存することにつながり、そして自らも自然に対して謙虚になれると考えるからです。