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工芸的なるもの

GO FOR KOGEI 2025 記者発表会

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2025年07月17日

「GO FOR KOGEI 2025」 記者発表会場(左から) 秋元雄史(アーティスティックディレクター/東京藝術大学名誉教授)、山下茜里(作家)、中川周士(作家):敬称略
北陸発 新たな工芸の発信イベントである 「GO FOR KOGEI 2025」の詳細が発表されました。
富山市・金沢市にて、2025年9月13日(土)から10月19日(日)までの 37日間で開催。

GO FOR KOGEIは、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から、ジャンルにとらわれない新たな工芸の見方を発信するプロジェクトです。
2020年のスタートからこれまで毎年開催し、地域の歴史・風土を体現する町並みや社寺を会場にした展覧会やイベントのほか、工芸を巡る今日的な課題と可能性について議論を深めるシンポジウムなどを展開してきました。
既成概念にとらわれない豊かで広がりをもった姿を「KOGEI」という言葉とともに提示しながら、これからの工芸のあるべき「場」をさまざまな実践を通して作り出していきます。

日経 REVIVE Web では、GO FOR KOGEI 2023、GO FOR KOGEI 2024 の様子を紹介しています。

GO FOR KOGEI 2025 のテーマ

工芸的なるもの

今年のテーマは、約100年前に⺠藝運動を提唱した柳宗悦の⾔葉より「⼯芸的なるもの」。

さまざまな素材を扱う現代アーティストや⼯芸作家、職⼈が素材・技法と向き合う態度から⽣まれるさまざまな実践を通して、それらが作り出す多様な暮らしの姿を提案していきます。

秋元氏は、”「KOGEI」という言葉は新たなジャンルを展開することではなく、むしろ、これまでの伝統を継承し、オルタナティブな評価軸を提案することだ” と語りました。

みどころ

⼯芸的アプローチが⽣み出す多⾯的な創作

18組の多様な表現や活動を通して、「⼯芸的アプローチ」によって展開される多⾯的な創作のかたちを紹介します。素材や技術と真摯に向き合う態度に着⽬することで、既成概念にとらわれない、豊かで広がりのある表現の可能性を提⽰します。

「⼯芸的なるもの」に通底する価値観

柳宗悦が提唱した「⼯芸的なるもの」という概念を⼿がかりに、⽇常のあらゆる事象に⼯芸性を⾒出す視点を提⽰します。そこから、現代社会において私たちが共有している美意識や価値観とは何かを問い直します。

さまざまな関係性を探るキュレーション

作品そのものにとどまらず、制作過程で⽣まれる他者との関係性や作品を媒介にしたコミュニケーションなど、モノの背後にあるさまざまな関係性に着⽬してキュレーションを展開します。展⽰やイベントを通して、⼈—モノ—社会のつながりを解きほぐしていきます。

展⽰エリアとおもなアーティスト

岩瀬エリア

富⼭駅から⾞で北へ約15分の距離にある岩瀬エリア。北前船の寄港地として栄えたこの地には、今も廻船問屋の建物が⽴ち並び、往時の⾯影を⾊濃く残しています。近年、⽇本酒の酒蔵「桝⽥酒造店」が中⼼となり、新しいまちの姿を形づくろうとする動きが⾒られます。ミシュランガイドで星を獲得した飲⾷店や、国内外で活躍する⼯芸作家のアトリエやギャラリーが点在するようになり、伝統を礎に今⽇的な美意識のもとで新たな姿に再⽣しようとしています。

桑⽥卓郎[参考作品]展⽰⾵景 桑⽥卓郎+く「窯揚げうどん」(Gallery & Restaurant 舞台裏、2025年)Photo: Kumi Nishitani

サエボーグ[参考作品]《Pigpen Movie》2016年 Photo: Takeo Hibino

清⽔徳⼦[出展作品]《The Danger Museum》2002年 刺繍⽷、ビーズ、スパンコール、アクリル、⽊綿、コーデュロイ 作家蔵 © Gottingham. Image courtesy of Miho Shimizu and Studio Xxingham

舘⿐則孝[出展作品]《ディセンディングペインティング “雲⿓図”》2024年 アクリルエマルジョンペイント 個⼈蔵 展⽰⾵景「GO FOR KOGEI 2024」(桝⽥酒造店 満寿泉、2024年)Photo: Watanabe Osamu
東山エリア

⾦沢を代表する観光地「ひがし茶屋街」を擁する東⼭エリア。江⼾時代末期から明治時代にかけて建てられた茶屋様式の町家が多く残されており、その端正な町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。また賑わう表通りの裏⼿では、かつてさまざまな職⼈が⼯房の軒を連ねて、制作に勤しんでいたそうです。現在も、昔ながらの住宅街の中に隠れ家的なカフェやギャラリーが点在し、⼯芸と暮らしが密接に結びついた姿を垣間⾒ることができます。

上出惠悟[参考作品]《五浦_1》2024年 油彩、キャンバス 作家蔵

寺澤季恵[出展作品]《⽣⽣2》2024年 ガラス、鉄 作家蔵

中川周⼠[参考作品]《⽊桶の茶室》2024年 杉 作家蔵

相良育弥+⻑坂常(スキーマ建築計画)[参考作品]《YATAI2》2025年 単管⾜場、葦 個⼈蔵 Photo: Thomas Adank, coutesy of KUSAKANMURI,Ltd.
参加アーティスト

アリ・バユアジ、上出惠悟、桑⽥卓郎、コレクティブアクション、サエボーグ、坂本森海、相良育弥、清⽔千秋、清⽔徳⼦+清⽔美帆+オィヴン・レンバーグ、髙 知⼦、舘⿐則孝、寺澤季恵、中川周⼠、葉⼭有樹、松本勇⾺、三浦史朗+宴 KAI プロジェクト、やまなみ⼯房、吉積彩乃(五十音順)

アクセス

展⽰会場は岩瀬エリア(富⼭県富⼭市)と東⼭エリア(⽯川県⾦沢市)に点在しています。鑑賞ご希望の⽅は、各エリアのインフォメーションセンターまでお越しください。

■ 岩瀬インフォメーションセンター
  桝⽥酒造店 満寿泉(富⼭県富⼭市東岩瀬町269)
  富⼭駅から電⾞と徒歩で約30分
  電⾞|富⼭地⽅鉄道 富⼭港線「東岩瀬駅」から徒歩約5分
  駐⾞場|富⼭港展望台(10台・無料)、岩瀬カナル会館(75台・無料)

■ 東⼭インフォメーションセンター
  HATCHi ⾦沢 by THE SHARE HOTELS(⽯川県⾦沢市橋場町3‒18)
  ⾦沢駅からバスと徒歩で約10分
  バス|城下まち⾦沢周遊バス・北陸鉄道バス・⻄⽇本 JR バス「橋場町」バス停から徒歩約3分
  駐⾞場|東⼭観光駐⾞場(15台・有料)

GO FOR KOGEI 2025
工芸的なるもの

<開催概要>

会期:2025年9月13日(土) ー 10月19日(日)[37日間] 休場日|水曜
開館時間:10:00 ~ 16:30(最終入場 16:00)
会場:富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)
主催:認定NPO法人趣都金澤、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
共催:富⼭県、富⼭市、北⽇本新聞社
後援:⽯川県、⾦沢市、JR ⻄⽇本、富⼭地⽅鉄道、北國新聞社、富⼭新聞社、MRO 北陸放送、⽯川テレビ放送、HAB 北陸朝⽇放送、北⽇本放送、富⼭テレビ放送、チューリップテレビ
URL:https://2025.goforkogei.com/