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この街の今、昔

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今こそ振り返りたい、あの頃のトーキョー
この街の今、昔

洋服のウンチク編

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2020年12月13日

洋服のウンチク編- 今こそ振り返りたい、あの頃のトーキョーこの街の今、昔

洋服と和装を結びつけた明治の女学生パワー

 日本に洋服が導入されたのは、明治の初め頃。和服に比べ動きやすいことが評価されたため、軍服など男性の職業服が中心だった。その後も欧化主義政策のもと、皇族や華族など上流階級の礼服として浸透。しかし大変高価だったため庶民には縁がなく「偉い人の服」と認識されていた。

 洋服文化が入ってきたのを契機に、洋服と和装の良い所を組み合わせた新しい衣類「改良服」の考案もスタート。医師や教育者が世界中の衣服を参考に開発にあたったものの、大半が普及しなかった。そのなかで例外的に成功したのが、男性の指貫(さしぬき)と宮中女性の緋袴(ひばかま)のデザインをミックスし、洋服に使う毛織物を生地に採用した「袴」。主な用途は学生服だったが、憧れの服として女学生に支持されたことで、明治30年代に広く普及した。髪にはリボン、足元には黒の革靴を合わせるコーディネートは和洋折衷の見本的存在に。いつの時代も、女学生の自由な発想や行動力は時代をけん引するようだ。

日本人の最初の1歩、洋服初めて物語

 ビジネスマンの正装として不動の地位を誇るネクタイ。日本人として初めてネクタイを締めたのは、幕末に通訳や教師として活躍したジョン万次郎。漁の途中で遭難し、米国船に救助されて渡米。嘉永4年(1851年)、帰国して長崎奉行所で取り調べを受けた際、所持品目録に「白鹿襟飾三箇」という記述がある。この「襟飾」がネクタイだったらしい。

 初めてといえば、日本で最初にジーンズをはいたのは実業家の白洲次郎といわれているが、実は初めてはいた証拠はない。しかし昭和25年(1950年)、吉田茂首相の特使として羽田空港から米国へと向かう機内でスーツを脱ぎ、ジーンズとTシャツに着替えた、という逸話が。初めてかどうかは定かでないにしろ、国を代表する紳士が当時は不良の象徴だったジーンズをはく、というインパクトは大きい。今もファッションアイコンであり続ける彼のたぐいまれなるセンスがうかがえる。

参考文献:国民生活 2018年2月号『衣服をめぐる「和」と「洋」の相克・融合』独立行政法人 国民生活センター、繊維製品消費科学41巻5号『ネクタイ』社団法人 日本繊維製品消費科学会、 『ダンディズム おくのほそ道』NIKKEI STYLE(全てWEB)

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