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より暮らしやすくなった再注目の3エリア

|川口|赤羽|王子|

カバー特集

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永山絢斗さんが食べる 赤羽のNEW&OLD

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2021年2月28日

日経REVIVE 2021年3月号カバー特集 永山絢斗さん

気取らない街、赤羽で“おいしい”を探しました。

都心へのアクセスのしやすさや、のびのびとした空気感が人気で近年「住みたい街ランキング」でも上位に名を連ねる川口、赤羽、王子の3エリア。
さまざまな顔を持ち、進化を続ける赤羽の街を俳優の永山絢斗さんと訪ねました。

20年ぶりの赤羽、楽しみです

NAVIGATOR

永山絢斗

ながやま・けんと俳優。1989年東京都板橋区生まれ。2007年の「おじいさん先生」でテレビドラマデビュー。その翌年「フレフレ少女」で映画デビューを果たす。以降NHK 連続テレビ小説「おひさま」「べっぴんさん」、大河ドラマ「いだてん」など、数々の話題作に出演。現在TBS系ドラマ「俺の家の話」に出演中。

撮影/吉澤健太 編集・取材/澤村 恵 ヘアメーク/新宮利彦
スタイリスト/Babymix アートディレクション/本多康規(Cumu)

NEW
気取らず、気負わず、でもおしゃれ
住みたくなる気持ちが分かります

「今っぽさ」と「昔ながら」が絶妙に織り交ざった街、赤羽は埼京線、京浜東北線をはじめとした計5路線が利用できる便利なハブ駅を中心に、周辺には今どきのカフェや商業施設が並びます。それらと同居しているのが、昭和21年に誕生した「赤羽一番街商店街」。今も昼夜を問わずにぎわいを見せ、昔ながらの飲食店や書店、写真スタジオなどが軒を連ねています。そんなNEW&OLDが共存する街、赤羽に20年ぶりに足を踏み入れた永山さん。

「僕は赤羽がある北区の隣、板橋区の出身なんですけど、子どもながらに印象に残っているのは、赤羽は地元よりも栄えた場所ということ。小学生の頃サッカーをしていたんですけど、赤羽は親にサッカー用品を買いに連れてきてもらった思い出があります。駅前のロータリーは当時の面影があってなんとなく覚えていますが、駅ビルは様変わりしていますね。すごくきれいになって」

赤羽の記憶をたどりながら歩いて最初に向かったのは「自家製麺 伊藤 赤羽店」。魚介だしラーメン店が多数集まる赤羽かいわいで、高い評価を得る元祖煮干し系の人気店です。ラーメン好きだという永山さん、店の看板メニュー、肉そばを注文します。

日経REVIVE 2021年3月号カバー特集 永山絢斗さん2

日経REVIVE 2021年3月号カバー特集 永山絢斗さん3

「ガツンと煮干しを感じるんだけど口当たりは優しくてすごくおいしい。麺の量を小・中・大から選べるのもいいですね。あぁ、これ半熟卵絶対合いますよね」と永山さん。肉そば(小)800円(税込み)。

「普段煮干し系のラーメンを食べる機会はないんですけど、これはものすごくおいしい。煮干しの香りがしっかり立ちつつ、後を引かないシンプルな味わいで。ちゃんと食べ応えもあるんだけど、もたれないという絶妙なバランス。近所にあったら通いたい! 今はコロナ禍で積極的に出歩けないですけど、新しい店って実際に歩いてみないと出合えないものですよね。赤羽はカフェやレストラン、ラーメン店など今っぽいお店もいい意味で気取っていないところがとても心地いいです。この居心地の良さみたいな独特の空気感が若者を引き付けるのかなぁ」

anzu to momo

オーナーである杏子さんと桃子さん姉妹それぞれの名前から命名した 「anzu to momo」はオープンして丸4年。ガラスケースには常時10種 類ほどのカラフルなスイーツが並びます。

OLD
ほかにはない独特な雰囲気
昭和の香りが今も残る情緒ある場所

おいしい=幸せ。赤羽には
たくさんの幸せがある

NEW赤羽を堪能した永山さんと次に向かったのは、OLD赤羽の顔とも言える「赤羽一番街商店街」。朝から開いているうなぎ店やおでん屋などの飲食店、八百屋や書店など暮らしを支える店もあり、昭和の雰囲気が魅力の場所です。

 「こんなに情緒的な場所があるなんて知りませんでした。店も人も飾らない感じが気持ちいいですね。ノスタルジックさもあって今との対比がすごい。こういう街ほかにはないですよね」

 吸い込まれるように一番街に歩みを進め、見つけたのはおでんが名物の老舗練り物店。

日経REVIVE 2021年3月号カバー特集 永山絢斗さん4

創業70年余りの老舗練り物専門店。開店と同時にお客さん が列を作るほどの人気ぶり。お目当ては名物のおでん。鶏 ガラと昆布でとった澄んだだしが染み込んだダイコンは絶 品。店舗脇のスペースでアツアツおでんと日本酒をどうぞ。

 「おでんって食べたいと思ってもなかなかいいお店を見つけられなくて。おでん食べたい周期を何周も逃していたので、きょうは食べられてうれしいです。僕はカラシがものすごく好きで、カラシを食べたいがためにトンカツやおでんを食べるんですけど、ここの粉カラシたまらなかったです。ガツンとくる辛さは衝撃でしたが、カラシ好きとしてはグッときました。そんなカラシの魅力と同じぐらいおでんもおいしかった。だしがしっかりきいてるんだけど、濃すぎなくてほっとできる味。開店と同時に列ができるのも納得です。きょうみたいな寒い日は特におでんを食べたくなりますよね」

日経REVIVE 2021年3月号カバー特集 永山絢斗さん5

 今は気軽に出歩いて外食を楽しみにくくても、永山さんは食べることを大切にしているといいます。

日経REVIVE 2021年3月号カバー特集 永山絢斗さん6

店先では、うなぎを焼いている様子も見ることができる。香ばしい香りと赤ちょうちんにつられて、朝から1杯なんて光景もここでは“あるある”だ。最近はテークアウトも人気。うなぎかば焼き 2300円~(税込み)。

 「おいしいものを食べてるときって幸せじゃないですか。元気の源になるというか。30代になって口にするものが体をつくっているという意識も出てきて一食一食の〝おいしい〞にこだわりたいと思うようになりました。赤羽は新旧の〝おいしい=幸せ〞がたくさん見つかる街。新型コロナウイルス感染症が終息したら、またおいしいものを探しに出かけたいですね」

残すところあと3話 永山絢斗さん出演「俺の家の話」

父の観山寿三郎(西田敏行)が危篤になったことで久々に長男、観山寿一(長瀬智也)、長女、舞(江口のりこ)、次男、踊介(永山絢斗)が顔を合わせ家族がそろう。長い間バラバラだった家族の距離が、あらゆる出来事を通して少しずつ縮まり絆を深めていくさまが宮藤官九郎の脚本でコミカルに描かれている。毎週金曜日22時~TBS系で放送中。
※取材当時の情報です。

この記事は、2021年2月28日発行の日経REVIVE3月号に掲載された内容です。

取材裏話

3月号「川口・赤羽・王子」永山絢斗さん

赤羽は私事ですが、上京の際、東京で最初に停まる駅、鉄道の高架やホームの賑わいから東京を感じられたことを覚えています。今回、初めて街に降り立ちました。赤羽一番街商店街では人気のおでん屋に、10時半の開店と同時に入ったのは30代と思われる男性一人客と、女子二人組。どちらも湯気のたったおでんとお酒をおいしそうに召し上がっていました。永山さんのカーキ色のジャンバーのいでたちが、赤羽の昭和感になじんでいました。

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